ヒト末梢血単球IL-1β遊離に及ぼすCa拮抗薬の影響
最近, 単球あるいは種々の組織より遊離されるサイトカインが多様な生物活性を示すことが明らかとなってきた1). そのなかでもIL-1は, 慢性関節リウマチなどの組織破壊性疾患に主役をなし, 関節滑膜細胞でのコラゲナーゼやPGE2の産生を介して骨破壊に対して促進的に作用する. またさらに, IL-1は骨芽細胞を刺激して, その二次情報が破骨細胞を活性化させることにより, 骨吸収を起こすことなども報告2, 3)されている. 一方, IL-1の産生には, Ca++, カルモデュリン, プロテインキナーゼ, およびcAMPなどの細胞内反応が関与していること4, 5)から, これらの阻害は, IL-1の関...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1991/03/10, Vol.11(2), pp.163-167 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近, 単球あるいは種々の組織より遊離されるサイトカインが多様な生物活性を示すことが明らかとなってきた1). そのなかでもIL-1は, 慢性関節リウマチなどの組織破壊性疾患に主役をなし, 関節滑膜細胞でのコラゲナーゼやPGE2の産生を介して骨破壊に対して促進的に作用する. またさらに, IL-1は骨芽細胞を刺激して, その二次情報が破骨細胞を活性化させることにより, 骨吸収を起こすことなども報告2, 3)されている. 一方, IL-1の産生には, Ca++, カルモデュリン, プロテインキナーゼ, およびcAMPなどの細胞内反応が関与していること4, 5)から, これらの阻害は, IL-1の関与によって引き起こされると考えられている疾患の改善をもたらすことが予想される. 特に, 細胞内外のCa++を阻害するCa拮抗薬のIL-1遊離に対する作用については興味深い. 今回, 筆者らは, ヒト末梢血単球をlipopoly-saccharide(LPS)で刺激し, 細胞外に遊離されるIL-1β量に対するCa拮抗薬の作用を, Ca関連試薬TMB-8およびcAMP関連試薬forskolinを用い検討したので報告する. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.11.163 |