ヒト末梢血好中球からの血小板活性化因子産生に及ぼすプロスタグランディンE1の影響

血小板活性化因子(platelet-activating factor, PAF)は, 炎症反応の誘導や免疫応答の調節に関与するchemical mediatorであり1), 血小板活性化作用2)のみでなく, 血管透過性の亢進3), 好中球およびマクロファージの凝集や脱顆粒などの促進4)を促す活性を示す. また, PAFは, 平滑筋収縮作用5), 血圧降下作用6)などを示し, 臨床的には気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患, エンドトキシソショック, 消化管出血などの多彩な病態に関与する可能性が示唆されている7~9). 最近, PAFと他の炎症反応や免疫反応に係わるchemical med...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:炎症 1990/01/10, Vol.10(1), pp.53-55
Hauptverfasser: 市川, 裕三, 溝口, 靖絋, 木岡, 清英, 小林, 絢三, 留河, キヨ子, 森沢, 成司, 山本, 祐夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血小板活性化因子(platelet-activating factor, PAF)は, 炎症反応の誘導や免疫応答の調節に関与するchemical mediatorであり1), 血小板活性化作用2)のみでなく, 血管透過性の亢進3), 好中球およびマクロファージの凝集や脱顆粒などの促進4)を促す活性を示す. また, PAFは, 平滑筋収縮作用5), 血圧降下作用6)などを示し, 臨床的には気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患, エンドトキシソショック, 消化管出血などの多彩な病態に関与する可能性が示唆されている7~9). 最近, PAFと他の炎症反応や免疫反応に係わるchemical mediatorとの関連が注目され, leukotriene C4(LTC4)が血管内皮細胞からのPAF産生を増強すること10), また, PAFによる好中球の凝集反応や放出反応の一部は, LTB4や5-HETEの産生を介することなどが示唆されている11). このように, アラキドン酸代謝のリポキシゲナーゼ系産物とPAFの関係については検討されているが, シクロオキシゲナーゼ系の代謝産物であるprostagrandin(PG)とPAFの関係については, ほとんど研究されていない.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.10.53