polyethylene glycol結合型superoxide dismutaseの心筋梗塞巣縮小効果: native-SODとの比較検討

近年, 心筋の虚血/再灌流障害における活性酸素=フリーラジカル(oxygen-derived free radicals)の関与に大きた注目が集められているが1~5), その詳細はいまだ明らかでない. 実験的冠虚血/再灌流モデルにおいてfree radicalの関与を検討したこれまでの報告の多くは, 消去系=スカベンジャー(free radical scavenger)を用いたものであるが, このなかでsuperoxide anion(O2)を消去するsuperoxide dismutasc(SOD)の心筋梗塞巣縮小効果に関しては, これを肯定する者6~11)と否定する者12~14)との間で,...

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Veröffentlicht in:炎症 1989/11/10, Vol.9(6), pp.457-462
Hauptverfasser: 田村, 裕男, 斎藤, 頴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 心筋の虚血/再灌流障害における活性酸素=フリーラジカル(oxygen-derived free radicals)の関与に大きた注目が集められているが1~5), その詳細はいまだ明らかでない. 実験的冠虚血/再灌流モデルにおいてfree radicalの関与を検討したこれまでの報告の多くは, 消去系=スカベンジャー(free radical scavenger)を用いたものであるが, このなかでsuperoxide anion(O2)を消去するsuperoxide dismutasc(SOD)の心筋梗塞巣縮小効果に関しては, これを肯定する者6~11)と否定する者12~14)との間で, 現在なお議論が継続中である. こうした状況で, 1987年Przyklenkら15)は, 6時間冠結紮にてSOD(+catalase)は, 梗塞巣を縮小するが, これに24時間以上の再灌流を加えると, 最終的には梗塞巣縮小化は認めないことより(図1), “SODはたんに梗塞の成立過程を遅延させたにすぎない”と結論した. これに対し, 筆者らは, 彼らのnegative resultsの原因が, 使用されたSOD(native-SOD)の半減期の短さ(5~6分)にあると考え, 半減期を大幅に延長(>30時間)したpolyethylene glycol結合型SOD(PEG-SOD)16, 17)を用い, 同様の実験系において梗塞巣に及ぼす効果を, 等量のnative-SODと比較検討した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.9.457