ベーチェット病に対する抗アレルギー薬塩酸アゼラスチンの治療効果

口腔粘膜のアフタ性潰瘍をはじめとするベーチェット病の病変部位では, 従来から指摘されているリンパ球, 好中球の浸潤に加えて, 肥満細胞の浸潤, およびその脱顆粒現象, ヒスタミン含量の増加が認められるとの報告がなされるようになり, 病変形成に遅延型アレルギーのみならず, 即時型アレルギーも関与している可能性が示唆されている1). 筆者らもコンカナバリンA刺激による好塩基球からのヒスタミン遊離能が, ベーチェット病の病勢の活動期に亢進しているという成績を得ている2). また, 最近では, ベーチェット病の眼発作時に前房水中のロイコトリエンB4が著明に増加することも指摘されている3). 抗アレルギ...

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Veröffentlicht in:炎症 1988/01/01, Vol.8(1), pp.69-72
Hauptverfasser: 橋本, 喬史, 竹内, 明輝, 森, 伸一, 善平, 朝俊, 川村, 洋和, 溝部, ひとみ, 徳富, 研二, 寺田, 達也, 小玉, 眞紀子, 浜渦, 伸子, 本間, 信
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔粘膜のアフタ性潰瘍をはじめとするベーチェット病の病変部位では, 従来から指摘されているリンパ球, 好中球の浸潤に加えて, 肥満細胞の浸潤, およびその脱顆粒現象, ヒスタミン含量の増加が認められるとの報告がなされるようになり, 病変形成に遅延型アレルギーのみならず, 即時型アレルギーも関与している可能性が示唆されている1). 筆者らもコンカナバリンA刺激による好塩基球からのヒスタミン遊離能が, ベーチェット病の病勢の活動期に亢進しているという成績を得ている2). また, 最近では, ベーチェット病の眼発作時に前房水中のロイコトリエンB4が著明に増加することも指摘されている3). 抗アレルギー薬である塩酸アゼラスチンは, 好塩基球や肥満細胞, 好中球の細胞膜安定化作用, 5-リポキシゲナーゼ阻害作用, Ca2+の細胞内流入阻害作用, 細胞内サイクリックAMP上昇作用を有し, ロイコトリエンの産生, 遊離, ヒスタミンの遊離などを抑制するとされており4~6), ベーチェット病に有効である可能性が考えられ, ベーチェット病患者に塩酸アゼラスチンを使用して, その治療効果を検討した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.8.69