慢性関節リウマチ患者の白血球内フェリチン濃度
慢性関節リウマチ(RA)は, 滑膜組織に慢性炎症を繰り返す消耗性疾患である. 約60%のRA患者では, 貧血を合併するといわれているが, その成因に関しては, いまだ不明な点が多く残されている1). 血清フェリチン値(s-Fer.)は健常人において体内の鉄貯蔵量を反映し, 血清鉄と相関を示すが, RA患者では炎症性産物としてのフェリチンが血中に増加しているために必ずしもs-Fer. は指標にならない2, 3). 筆者らは, 前報において, RA患者のs-Fer. は正常範囲内にあり, 血清鉄とは相関せず, 炎症の度合(CRPまたは血沈値)と正の相関を示すこと4), そして, RA患者の関節液中...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1987/11/01, Vol.7(6), pp.541-545 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 慢性関節リウマチ(RA)は, 滑膜組織に慢性炎症を繰り返す消耗性疾患である. 約60%のRA患者では, 貧血を合併するといわれているが, その成因に関しては, いまだ不明な点が多く残されている1). 血清フェリチン値(s-Fer.)は健常人において体内の鉄貯蔵量を反映し, 血清鉄と相関を示すが, RA患者では炎症性産物としてのフェリチンが血中に増加しているために必ずしもs-Fer. は指標にならない2, 3). 筆者らは, 前報において, RA患者のs-Fer. は正常範囲内にあり, 血清鉄とは相関せず, 炎症の度合(CRPまたは血沈値)と正の相関を示すこと4), そして, RA患者の関節液中フェリチン値は, 変形性関節症(OA)のそれに比して高値を示すことを報告した5). 今回は, 末梢血または関節液中の白血球内フェリチン濃度を測定し, 炎症の場に浸潤した白血球内フェリチン濃度が高いことを見いだした. 対象と方法 (1)対象患者 対象としてARA診断基準でdefinite, またはclassicalを満足するRA患者24名(男性3名, 女性21名, 平均年齢61歳)と健常人15名(男性6名, 女性9名, 平均年齢30歳)を用いた. 表1にRA患者の臨床像を示している. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.7.541 |