MRL/1マウスループスにおけるマクロファージのリソソーム酵素活性ならびに活性酸素の亢進とその病理発生的意義

難治性炎症性疾患の多くは, その病変局所にいちじるしいマクロファージの集簇をきたし, それに伴って活性酸素やリソソーム酵素の細胞外放出による組織障害, さらには肉芽腫性炎を引き起こすと考えられる. ループスマウスの1系であるMRL/Mp-lpr/lpr(MRL/1)マウスは, lymphoproliferation gene(lpr)遺伝子に規定された異常Tリンパ球の過形成に伴い肉芽腫性炎を発症するが, その病変局所にはいちじるしいマクロファージの集簇が認められる1, 2). 筆者らは, このマクロファージ機能が病像の発現, 進展に重要な役割を果たしていると考え, 月齢別にMRL/1マウスのマ...

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Veröffentlicht in:炎症 1987/11/01, Vol.7(6), pp.507-510
Hauptverfasser: 深沢, 泉, 能勢, 真人, 加藤, 泰三, 京極, 方久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:難治性炎症性疾患の多くは, その病変局所にいちじるしいマクロファージの集簇をきたし, それに伴って活性酸素やリソソーム酵素の細胞外放出による組織障害, さらには肉芽腫性炎を引き起こすと考えられる. ループスマウスの1系であるMRL/Mp-lpr/lpr(MRL/1)マウスは, lymphoproliferation gene(lpr)遺伝子に規定された異常Tリンパ球の過形成に伴い肉芽腫性炎を発症するが, その病変局所にはいちじるしいマクロファージの集簇が認められる1, 2). 筆者らは, このマクロファージ機能が病像の発現, 進展に重要な役割を果たしていると考え, 月齢別にMRL/1マウスのマクロファージについて, lpr遺伝子を持たないMRL/Mp-+/+(以下MRL/n)マウスのそれと, 比較検討した. さらに, これらのマクロファージ機能を規定すると考えられる遺伝子lprならびにMRLマウスの遺伝的背景との関連について, lpr遺伝子の他のcongenicマウスであるC57BL/6-lpr/lpr(以下B6/1)を用いて検討したのでその成績を報告する. 材料と方法 (1)マウス MRL/Mp-lpr/lpr(MRL/1), MRL/MP-+/+(MRL/n)はJackson Lab. から供与あるいは購入し東北大学医学部実験動物センターで繁殖, 維持したコロニーを用いた. C57BL/6-lpr/lpr(B6/1)(Jackson Lab. 由来)は早川純一郎博士(金沢大学医学部実験動物施設)より分与されたものを当教室で繁殖させて使用した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.7.507