慢性関節リウマチと強直性脊椎炎における炎症像の比較検討

慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)と強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis, AS)は, いずれも慢性炎症性難治疾患であるが, リウマチ性疾患に関するアメリカ, リウマチ協会の新分類1)では, RAは結合組織病のなかに入り, ASは脊椎病変と関連した関節炎の代表として位置づけられている, ASは, HLA-B27と密接な関係があり, リウマトイド因子(rheumatoid factori, RF)が陰性で, 仙腸関節を強く侵すことからRAと鑑別されているが, 両関節炎の病理組織学的区別は明確でない. これは両疾患とも生命に対する予後がよく2...

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Veröffentlicht in:炎症 1987/09/01, Vol.7(5), pp.419-423
Hauptverfasser: 青木, 重久, 生田, 耕司, 野々垣, 常正, 永松, 潔和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)と強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis, AS)は, いずれも慢性炎症性難治疾患であるが, リウマチ性疾患に関するアメリカ, リウマチ協会の新分類1)では, RAは結合組織病のなかに入り, ASは脊椎病変と関連した関節炎の代表として位置づけられている, ASは, HLA-B27と密接な関係があり, リウマトイド因子(rheumatoid factori, RF)が陰性で, 仙腸関節を強く侵すことからRAと鑑別されているが, 両関節炎の病理組織学的区別は明確でない. これは両疾患とも生命に対する予後がよく2, 3), 病理解剖例が乏しいことによると考えられる. 今回, 筆者らは, RAの剖検28例と生検35例およびASの剖検1例と生検4例を病理組織学的に検索することができ, 両関節炎の炎症像の比較検討を行ったので報告する. 材料と方法 RAの剖検例は, 厚生省特定疾患, 昭和48~50年悪性関節リウマチ, 結節性動脈周囲炎, および昭和51~60年系統的血管病変調査研究班において収集した中部地区のRAの病理解剖28例を対象とした. RAの生検材料は, 愛知医科大学整形外科において手術時に採取したRAの進行度分類stageI~IVの滑膜組織(肩, 股, 膝, 指, 趾関節35例)で, いずれもRAが陽性の症例であった.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.7.419