冠動脈内皮細胞障害時におけるleukotriene D4の冠動脈攣縮誘発作用
近年, 多核白血球, mast cell, macrophageなどよりlipoxygenase系を介して産生されるleukotrienes(LTs), とりわけleukotriene D4(LTD4)が, 強力な冠血管収縮作用を有し冠動脈攣縮(coronary spasm)を惹起することが実験的に明らかになった1~5). また, angioplasty施行後に生じるspasmに動脈内皮損傷によるlipoxygenase系代謝産物の産生亢進が関与するとの報告6)や, 異型狭心症例の剖検心においてspasmの生じた冠動脈外膜に多数のmast cellが観察されたとの報告7)もあり, 筆者らが臨床...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 炎症 1987/07/01, Vol.7(4), pp.345-350 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 近年, 多核白血球, mast cell, macrophageなどよりlipoxygenase系を介して産生されるleukotrienes(LTs), とりわけleukotriene D4(LTD4)が, 強力な冠血管収縮作用を有し冠動脈攣縮(coronary spasm)を惹起することが実験的に明らかになった1~5). また, angioplasty施行後に生じるspasmに動脈内皮損傷によるlipoxygenase系代謝産物の産生亢進が関与するとの報告6)や, 異型狭心症例の剖検心においてspasmの生じた冠動脈外膜に多数のmast cellが観察されたとの報告7)もあり, 筆者らが臨床的に経験するcoronary spasmの発生にLTsが密接に関与している可能性が考えられる. 一方, coronary spasmは, 動脈硬化性病変や冠動脈内膜損傷部位に好発することが知られており, これらの部位においてLTsをはじめとする各種血管作動性物質の反応性が亢進し, これがcoronary spasmの誘因となりうる可能性が考えられる. そこで今回筆者らは, 冠動脈擦過犬モデルを用い冠動脈内皮細胞障害時においてLTD4のcoronary spasm誘発作用が増強するか否かを検討し, 興味ある知見を得たので報告する. |
---|---|
ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.7.345 |