FMLPで誘導されるラット好中球の活性酸素産生および細胞遊走におけるカルシウム-カルモジュリンの役割
はじめに 好中球は生体防御機構の最前線で, 遊走, 貧食, 活性酸素産生, 脱顆粒など状況に応じて様々な機能を発現する. 通常, 血流中に存在する好中球は感染や炎症によって生成する遊走因子(chemoattractant)を感知し, 因子に向かって遊走することで感染や炎症の局所に集積する, 集積した好中球は微生物やその他の侵害因子に対して活性酸素を産生し, 顆粒中に存在する酵素を放出(脱顆粒)して攻撃する. これらの攻撃因子が過剰に存在すると, 宿主に対しても障害をもたらす. したがって, 産生される活性酸素の量は厳密に調節されなければならない.遊走因子などの刺激は好中球内で生じる種々の細胞内...
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Veröffentlicht in: | Inflammation and Regeneration 2006, Vol.26(5), pp.460-466 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに 好中球は生体防御機構の最前線で, 遊走, 貧食, 活性酸素産生, 脱顆粒など状況に応じて様々な機能を発現する. 通常, 血流中に存在する好中球は感染や炎症によって生成する遊走因子(chemoattractant)を感知し, 因子に向かって遊走することで感染や炎症の局所に集積する, 集積した好中球は微生物やその他の侵害因子に対して活性酸素を産生し, 顆粒中に存在する酵素を放出(脱顆粒)して攻撃する. これらの攻撃因子が過剰に存在すると, 宿主に対しても障害をもたらす. したがって, 産生される活性酸素の量は厳密に調節されなければならない.遊走因子などの刺激は好中球内で生じる種々の細胞内情報伝達系(シグナル)を介して調節されていると考えられている1). 細菌由来の遊走因子N-formyl-methionyl-leucyl-phenylala-nine(FMLP)が好中球のGタンパク質共役型受容体に結合すると, 三量体Gタンパク質が活性化され, Gβγ二量体サブユニットが遊離してphospholipaseC(PLC)およびphosphatidyl inositol 3-kinase(PI3K)の活性化が起こる2-4). |
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ISSN: | 1880-9693 1880-8190 |
DOI: | 10.2492/inflammregen.26.460 |