炎症反応における好中球エラスターゼの新たな機能―CD14依存性IL-8産生の選択的抑制機構
感染症における発症防御機構の中心は好中球であり, 末梢血中の好中球は感染局所で活性化された血管内皮細胞を認識し, 血管外へ遊走する. 感染局所に集積した好中球は, その食菌作用を中心に, 効率よく防御に働いている. 好中球内に取り込まれた病原微生物は細胞内で殺菌されるが, その作用の機序は大きくわけて, 酸素代謝産物による酸素依存性機構と酸素非依存性機構とに分類できる1). そのうち, 酸素非依存性機構は主に細胞内穎粒に存在する種々の蛋白分解酵素および抗菌性蛋白の作用によるものであり, この機構においては好中球エラスターゼ, カテプシンG(catG)そしてプロティナーゼ3(PR3)が重要な役割...
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Veröffentlicht in: | 炎症・再生 2002/01/31, Vol.22(1), pp.13-20 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 感染症における発症防御機構の中心は好中球であり, 末梢血中の好中球は感染局所で活性化された血管内皮細胞を認識し, 血管外へ遊走する. 感染局所に集積した好中球は, その食菌作用を中心に, 効率よく防御に働いている. 好中球内に取り込まれた病原微生物は細胞内で殺菌されるが, その作用の機序は大きくわけて, 酸素代謝産物による酸素依存性機構と酸素非依存性機構とに分類できる1). そのうち, 酸素非依存性機構は主に細胞内穎粒に存在する種々の蛋白分解酵素および抗菌性蛋白の作用によるものであり, この機構においては好中球エラスターゼ, カテプシンG(catG)そしてプロティナーゼ3(PR3)が重要な役割を担う. これらはすべてセリン系プロテアーゼに属する抗菌作用を有するプロテアーゼであり, アズール顆粒中に存在している. そして, 好中球の活性化とともにアズール顆粒の内側から細胞膜上へ移行, あるいは細胞外へ遊離される1-5). 特に, 好中球エラスターゼは, そのノックアウトマウスを用いた研究から, 好中球の感染部位への遊走には必須ではないが, グラム陰性細菌の殺菌作用には必須の因子であることが証明されている6). |
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ISSN: | 1346-8022 1880-5795 |
DOI: | 10.2492/jsir.22.13 |