好中球の機能分化と増殖の制御
好中球は, 生体に進入してくる細菌や異物を貪食するとともに種々の分解酵素や活性酸素産生による殺菌を行い, 生体防御や炎症に重要な役割を演じている. 血中の好中球レベルは通常4, 000~7, 000/μl程度であるが, 細菌感染などの炎症反応が起こると急激な動員が行われ, ときには数万にも及ぶ. このように好中球は必要に応じて短時間に動員されることが特徴であり, 好中球の機能的成熟や増殖は骨髄において厳密に制御されている, この生体防御に重要な役割を担っている好中球の分化, 増殖の制御機構を解明することは生体防御や炎症反応を理解するうえで非常に重要である. 好中球の分化, 増殖にはさまざまなサ...
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Veröffentlicht in: | 炎症・再生 2001/05/31, Vol.21(3), pp.199-207 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 好中球は, 生体に進入してくる細菌や異物を貪食するとともに種々の分解酵素や活性酸素産生による殺菌を行い, 生体防御や炎症に重要な役割を演じている. 血中の好中球レベルは通常4, 000~7, 000/μl程度であるが, 細菌感染などの炎症反応が起こると急激な動員が行われ, ときには数万にも及ぶ. このように好中球は必要に応じて短時間に動員されることが特徴であり, 好中球の機能的成熟や増殖は骨髄において厳密に制御されている, この生体防御に重要な役割を担っている好中球の分化, 増殖の制御機構を解明することは生体防御や炎症反応を理解するうえで非常に重要である. 好中球の分化, 増殖にはさまざまなサイトカインや増殖因子が関与しているが, そのなかでも顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は特に好中球系細胞の分化, 増殖に重要な役割を果たしている1). 本稿では, 好中球やマクロファージヘの分化能を有し, これらの分化モデルとして非常によく研究されているHL-60細胞を用いて, G-CSFの好中球分化や増殖に及ぼす影響を解析した. |
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ISSN: | 1346-8022 1880-5795 |
DOI: | 10.2492/jsir.21.199 |