不協力な障害者への行動調整法に関する保護者の意識調査: 薬物を使用しない施設と使用する施設での比較
歯科医療機関を受診した患者のうち身体抑制法,深鎮静法/静脈麻酔法,全身麻酔法のいずれかを経験した障害者の保護者に,行動調整法への満足度と次の治療時の希望の有無についてアンケートを行い,薬物を使用しない歯科医療機関を受診した保護者と薬物が使用可能な歯科医療機関の保護者に分類して比較検討した.薬物不使用の施設における保護者は,身体抑制法について「家族は理解」と「家族のみ満足」の肯定的な考えが94.2%であったが,身体抑制法を希望した者は54.9%と肯定的な考えを示した割合よりも低く,「仕方がない」と回答した者が39.4%であった.深鎮静法/静脈麻酔法は,薬物使用施設の保護者は,「家族は理解」が75...
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Veröffentlicht in: | 日本障害者歯科学会雑誌 2021/06/30, Vol.42(2), pp.189-195 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯科医療機関を受診した患者のうち身体抑制法,深鎮静法/静脈麻酔法,全身麻酔法のいずれかを経験した障害者の保護者に,行動調整法への満足度と次の治療時の希望の有無についてアンケートを行い,薬物を使用しない歯科医療機関を受診した保護者と薬物が使用可能な歯科医療機関の保護者に分類して比較検討した.薬物不使用の施設における保護者は,身体抑制法について「家族は理解」と「家族のみ満足」の肯定的な考えが94.2%であったが,身体抑制法を希望した者は54.9%と肯定的な考えを示した割合よりも低く,「仕方がない」と回答した者が39.4%であった.深鎮静法/静脈麻酔法は,薬物使用施設の保護者は,「家族は理解」が75.9%,「希望する」が65.2%であった.薬物不使用施設では,深鎮静法/静脈麻酔法を以前に経験した3名(複数回答,当該診療所以外も含める)とも深鎮静法/静脈麻酔法について家族は理解し,次回も希望すると回答していた.薬物不使用の施設の保護者は,全身麻酔について全員が「家族は理解」と回答していたが,次回の治療で全身麻酔を希望すると回答した者が27.3%と少なかった.両群の施設は,身体抑制法の治療に満足しているものの,次の治療は仕方がない,希望しないとする保護者が40%以上であった.薬物不使用施設での全身麻酔は,家族は理解を示し,次回の治療は全身麻酔を希望し,身体抑制法は80%以上の家族は理解を示しているものの希望しない者が存在し,不協力な障害者への歯科治療時には,そのつど説明し,行動調整法を選択する機会を提供することが改めて必要であることが認識された. |
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ISSN: | 0913-1663 2188-9708 |
DOI: | 10.14958/jjsdh.42.189 |