埋伏した双生歯小臼歯に対し外科的挺出を行った自閉スペクトラム症の1例
埋伏歯への対応として抜歯,開窓,矯正的牽引,再植を含む外科的挺出などが行われる.可能であれば,埋伏歯を歯列内に誘導することが望ましい.歯列内への誘導は矯正的牽引が行われることが多いが,対象が障害者の場合,その障害により矯正治療に対応できないこともある.今回,埋伏した双生歯小臼歯を有する自閉スペクトラム症の患者に対して,外科的挺出を行い咬合させることができた症例について報告する.患者は自閉スペクトラム症の12歳の男児である.エックス線検査より上顎左側第一小臼歯の埋伏が認められた.CT画像から,第一小臼歯は正常歯と過剰歯が癒合した双生歯であり,第一小臼歯遠心部が,第二小臼歯歯冠に干渉して萌出を阻害...
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Veröffentlicht in: | 日本障害者歯科学会雑誌 2018, Vol.39(4), pp.418-423 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 埋伏歯への対応として抜歯,開窓,矯正的牽引,再植を含む外科的挺出などが行われる.可能であれば,埋伏歯を歯列内に誘導することが望ましい.歯列内への誘導は矯正的牽引が行われることが多いが,対象が障害者の場合,その障害により矯正治療に対応できないこともある.今回,埋伏した双生歯小臼歯を有する自閉スペクトラム症の患者に対して,外科的挺出を行い咬合させることができた症例について報告する.患者は自閉スペクトラム症の12歳の男児である.エックス線検査より上顎左側第一小臼歯の埋伏が認められた.CT画像から,第一小臼歯は正常歯と過剰歯が癒合した双生歯であり,第一小臼歯遠心部が,第二小臼歯歯冠に干渉して萌出を阻害していることが判明した.障害の程度から矯正的牽引には対応できないと考えられたため,外科的挺出を行うこととした.全身麻酔下に外科的挺出を行い,歯列内に誘導,固定した.術後は特に痛みを訴えることもなく,1カ月後には動揺もなくなり経過良好であった.現在,術後2年が経過しているが,疼痛や歯根吸収などの不快症状はなく,下顎とも咬合している.今回の症例から矯正的な誘導が困難な障害者の埋伏歯には外科的挺出を検討する価値があることがわかった. |
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ISSN: | 0913-1663 2188-9708 |
DOI: | 10.14958/jjsdh.39.418 |