刑事司法に関連する行為者への信頼と刑事司法に対する態度の関連

「問題と目的」信頼とは, 「相手の行為が自分にとって否定的な帰結をもたらしうる不確実性のある状況で, それでも, そのようなことは起こらないだろうと期待し, 相手の判断や意思決定に任せておこうとする心理的な状態」と定義される概念である(中谷内・Cvetkovich, 2008). 信頼は, これまで主に一般的信頼(e.g., 川岸, 1998)や政治的信頼(e.g., 村川, 2003)の観点から検討されてきた. 後者の政治的信頼に関しては, たとえば善教(2013)は, 政治的な信頼が特定の政策を支持する態度と関連することを示し, 蒲島(1998)は投票権の行使など政治行動への支持と関連する...

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Veröffentlicht in:応用心理学研究 2020/03/31, Vol.45(3), pp.219-229
Hauptverfasser: 向井, 智哉, 藤野, 京子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「問題と目的」信頼とは, 「相手の行為が自分にとって否定的な帰結をもたらしうる不確実性のある状況で, それでも, そのようなことは起こらないだろうと期待し, 相手の判断や意思決定に任せておこうとする心理的な状態」と定義される概念である(中谷内・Cvetkovich, 2008). 信頼は, これまで主に一般的信頼(e.g., 川岸, 1998)や政治的信頼(e.g., 村川, 2003)の観点から検討されてきた. 後者の政治的信頼に関しては, たとえば善教(2013)は, 政治的な信頼が特定の政策を支持する態度と関連することを示し, 蒲島(1998)は投票権の行使など政治行動への支持と関連することを報告している. このように政治的な信頼は政治に関する態度や行動と関連することが示されてきた. また近年においては, 刑事司法の分野においても一般市民の信頼は重要性を増しつつある.
ISSN:0387-4605
2433-7633
DOI:10.24651/oushinken.45.3_219