眼球運動指標を用いた虚偽検出検査における刺激呈示方法の検討 - 自律神経系指標との同時測定の可能性
「問題」 虚偽検出検査は事件に関連する複数の質問を呈示し, そのときの生理的反応の変化から被検査者の犯罪知識の有無を検討する科学的捜査技法である. 検査で測定する生理的反応には心臓血管運動, 皮膚電気活動, 呼吸運動など, 主に自律神経系の活動が用いられており, 有罪被疑者であれば裁決質問と非裁決質問との間に反応の差異が観察される. 一方, 無実の者は犯罪知識を有しておらず, 裁決刺激と非裁決刺激とを識別できないため, 質問間の明確な反応の違いは観察されない. この両者の反応の相違は犯罪知識を有するか否かによることから, 虚偽検出検査は一種の記憶の検査と見なされており(財津, 2014;小林・...
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Veröffentlicht in: | 応用心理学研究 2018-03, Vol.43 (3), p.217-225 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「問題」 虚偽検出検査は事件に関連する複数の質問を呈示し, そのときの生理的反応の変化から被検査者の犯罪知識の有無を検討する科学的捜査技法である. 検査で測定する生理的反応には心臓血管運動, 皮膚電気活動, 呼吸運動など, 主に自律神経系の活動が用いられており, 有罪被疑者であれば裁決質問と非裁決質問との間に反応の差異が観察される. 一方, 無実の者は犯罪知識を有しておらず, 裁決刺激と非裁決刺激とを識別できないため, 質問間の明確な反応の違いは観察されない. この両者の反応の相違は犯罪知識を有するか否かによることから, 虚偽検出検査は一種の記憶の検査と見なされており(財津, 2014;小林・吉本・藤原, 2009), 隠匿情報検査(Concealed Information Test: CIT)と表現されることが多くなっている. |
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ISSN: | 0387-4605 |