運動失調症状を呈した中枢神経疾患に対する上肢訓練の一例

運動失調症状を呈した本症例に, 重錘バンド訓練の継続の是非を動作分析を通して検討した. 動作分析は, 右上肢の動きを3点のポイントから角速度で検討した. 方法は端座位でテーブルのスプーンとコップに触れる過程とした. 重りは0.3, 0.4, 0.5, 1.0kgの重錘バンドを使用し, 重錘バンドの重りは前腕の遠位端に装着した. t検定にて統計処理した結果(n=27)から, 目標物の大きさを含めた「目的とする動作」に着目すべきではないかと推察した. 協調運動障害を有する症例では, 随意運動の正確で, 円滑かつ迅速な遂行が妨げられてしまう. そして, 評価方法や訓練方法については方向(spacin...

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Veröffentlicht in:埼玉理学療法 1997, Vol.5 (1), p.32-35
Hauptverfasser: 金子純一朗, 前園徹, 嵯峨真季, 望月忍, 井之上直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:運動失調症状を呈した本症例に, 重錘バンド訓練の継続の是非を動作分析を通して検討した. 動作分析は, 右上肢の動きを3点のポイントから角速度で検討した. 方法は端座位でテーブルのスプーンとコップに触れる過程とした. 重りは0.3, 0.4, 0.5, 1.0kgの重錘バンドを使用し, 重錘バンドの重りは前腕の遠位端に装着した. t検定にて統計処理した結果(n=27)から, 目標物の大きさを含めた「目的とする動作」に着目すべきではないかと推察した. 協調運動障害を有する症例では, 随意運動の正確で, 円滑かつ迅速な遂行が妨げられてしまう. そして, 評価方法や訓練方法については方向(spacing)と力関係(grading)および時間関係(timing)の三点が基礎とされている1). 協調運動障害の原因となる運動失調症状は, 小脳性や深部感覚性, 前庭, 迷路性のいずれの場合でも, フィードバック系の制御が障害されている.
ISSN:0919-9241
DOI:10.11350/jspta.5.32