家族の質に対する客観的評価FAD (Family Assessment Device) 使用の試み

脳血管障害のリハビリテーションでは, 機能障害を完全に回復させることは不可能な事が多い. 社会復帰の形態(自宅退院か施設処遇か等の退院後の行き場所)は, 身体や精神の機能障害や日常生活動作の障害の度合と, 家族を中心とした環境の兼ね合いにより決まっているといえる1). 臨床の場においても, 高度な身体機能障害を持っているにもかかわらず自宅退院となるケースや, 逆に軽度な身体機能障害でも, 施設処遇を余儀なくされるケースにふれ, 驚かされることがある. 家族評価としては, 構成メンバーなどの, 量的な評価はなされているが, 質的な評価の報告は, 我が国には少ない2). また, 我が国での家庭内の...

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Veröffentlicht in:埼玉理学療法 1994, Vol.2(1), pp.35-39
Hauptverfasser: 佐々木, 和人, 渡辺, 彰, 米田, 光弘, 横尾, 一晃, 荻野, 雅史, 鹿島, 由樹, 鈴木, 英二, 坂西, 健樹, 松本, 美保子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳血管障害のリハビリテーションでは, 機能障害を完全に回復させることは不可能な事が多い. 社会復帰の形態(自宅退院か施設処遇か等の退院後の行き場所)は, 身体や精神の機能障害や日常生活動作の障害の度合と, 家族を中心とした環境の兼ね合いにより決まっているといえる1). 臨床の場においても, 高度な身体機能障害を持っているにもかかわらず自宅退院となるケースや, 逆に軽度な身体機能障害でも, 施設処遇を余儀なくされるケースにふれ, 驚かされることがある. 家族評価としては, 構成メンバーなどの, 量的な評価はなされているが, 質的な評価の報告は, 我が国には少ない2). また, 我が国での家庭内の介護は, 家族全体で補っているというよりも, キーパーソンに依存することが多い1). 我々は, 第29回日本理学療法士学会にて, 家庭復帰には, 家族の質, キーパーソンの質が重要であると強調した. 今回, 家族の質的な評価について, Epstein3)らが考案したFamily Assessment Device(以下FADと略す)を基に, 我が国に適した評価を新たに作成し若干の知見を得たので報告する.
ISSN:0919-9241
1348-0294
DOI:10.11350/jspta.2.35