アミノ酸による粘膜保護作用の機構解析:吸収促進剤による粘膜傷害性の改善

【目的】近年, combinatorial chemistry, HTSなどの技術の導入により, 優れた薬理活性を有する新薬開発候補化合物が数多く見出される様になってきた. しかし, これらの中には難水溶性, 難吸収性を示すものが少なくなく, 経口製剤化を困難にしている. 脂質系の吸収促進剤の利用は, 薬物の溶解性と膜透過性を共に改善し得る有用な手段のひとつであるが, それに伴う粘膜への傷害性のため, 実用化が困難となっている. 我々のこれまでの検討により, 中鎖脂肪酸塩ラウリン酸ナトリウム(C12)は, ラット結腸において, 分子量が異なる種々の難吸収性薬物の吸収を改善すること, しかし,...

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Veröffentlicht in:薬物動態 2001, Vol.16 (suppl), p.S122-S123
Hauptverfasser: 花田聖徳, 角辻賢太, 遠藤洋子, 大河原賢一, 檜垣和孝, 木村聰城郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】近年, combinatorial chemistry, HTSなどの技術の導入により, 優れた薬理活性を有する新薬開発候補化合物が数多く見出される様になってきた. しかし, これらの中には難水溶性, 難吸収性を示すものが少なくなく, 経口製剤化を困難にしている. 脂質系の吸収促進剤の利用は, 薬物の溶解性と膜透過性を共に改善し得る有用な手段のひとつであるが, それに伴う粘膜への傷害性のため, 実用化が困難となっている. 我々のこれまでの検討により, 中鎖脂肪酸塩ラウリン酸ナトリウム(C12)は, ラット結腸において, 分子量が異なる種々の難吸収性薬物の吸収を改善すること, しかし, 同時に膜傷害の指標とされる消化管粘膜からのリン脂質やタンパク質, LDHなどの生体成分の漏出を亢進していることを確認した. 一方, L-glutamineやtaurineなどのアミノ酸をC12と併用投与することにより, C12の吸収促進効果を維持したまま, 消化管粘膜への傷害性を軽減できることを明らかにした1). この結果は, 安全性の高い有効な吸収促進剤の開発の可能性を示すものと考えられる. 本研究ではC12の吸収促進効果とアミノ酸が粘膜傷害を軽減する作用機構に焦点を当てて, 種々の検討を行った.
ISSN:0916-1139