薬物代謝酵素p450の基質特異性予測
薬物代謝酵素p450による代謝反応は, その多様性から予測が困難とされてきたが, その理由としてp450には複数の分子種が存在し, 各分子種の基質特異性がオーバーラップしている為に, ミクロソーム等を用いてp450全体の反応を見てしまうと基質特異性が非常に低くかつ反応も多様であると見なされてしまっていたという経緯がある. 幾つかのp450分子種に関しては, その基質特異性, 一部アミノ酸を置換した組換え体の触媒活性, バクテリアp450の結晶X線回折結果等の類推から, 反応中心付近の環境が明らかにされつつあり, 各p450分子種の基質特異性について予測可能なレベルになってきているのではないかと...
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Veröffentlicht in: | 薬物動態 2000, Vol.15(6), pp.519-520 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬物代謝酵素p450による代謝反応は, その多様性から予測が困難とされてきたが, その理由としてp450には複数の分子種が存在し, 各分子種の基質特異性がオーバーラップしている為に, ミクロソーム等を用いてp450全体の反応を見てしまうと基質特異性が非常に低くかつ反応も多様であると見なされてしまっていたという経緯がある. 幾つかのp450分子種に関しては, その基質特異性, 一部アミノ酸を置換した組換え体の触媒活性, バクテリアp450の結晶X線回折結果等の類推から, 反応中心付近の環境が明らかにされつつあり, 各p450分子種の基質特異性について予測可能なレベルになってきているのではないかと実感している. CYPlA1はbenzo[a]-pyreneや7, 12-dimethoxybenz[a]-anthraceneを代表とする多環芳香族炭化水素(PAH), CYPlA2はPAHおよびヘテロ環を有するアミンやアミド化合物の代謝に主に関与することがよく知られているが, Lewisらは, 化合物の分子軌道HOMOとLUMOのエネルギーの差と分子の扁平率から算出した値を基に, CYP1の基質となるかCYP2, CYP3の基質になるか振り分けている. |
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ISSN: | 0916-1139 |
DOI: | 10.2133/dmpk.15.519 |