小腸代謝研究の現状と問題点

小腸初回通過代謝に関するin vitroからin vivoの予測については, 1982年にP. Klippertらによってphenacetinのラット小腸代謝活性から得られた小腸抽出率が実測値と一致することが報告されている. しかしながら小腸代謝が初回通過効果に関わっているとの認識は一般に乏しく, 薬物動態研究の表舞台へ登場するまでにはその後約10年近くの歳月を待たなければならなかった. 1992年にJ. C. Kolarらによって, 小腸CYP3Aによるcyclosporineの初回通過代謝の可能性が報告されて以来, ヒトにおける初回通過代謝に小腸代謝が寄与しているとの知見が数多く報告されて...

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Veröffentlicht in:薬物動態 2000-04, Vol.15 (2), p.159-164
1. Verfasser: 小村弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小腸初回通過代謝に関するin vitroからin vivoの予測については, 1982年にP. Klippertらによってphenacetinのラット小腸代謝活性から得られた小腸抽出率が実測値と一致することが報告されている. しかしながら小腸代謝が初回通過効果に関わっているとの認識は一般に乏しく, 薬物動態研究の表舞台へ登場するまでにはその後約10年近くの歳月を待たなければならなかった. 1992年にJ. C. Kolarらによって, 小腸CYP3Aによるcyclosporineの初回通過代謝の可能性が報告されて以来, ヒトにおける初回通過代謝に小腸代謝が寄与しているとの知見が数多く報告されている. これらに対して, in vivoの小腸初回通過代謝を説明するのに十分なin vitro代謝活性が得られているか?といった疑問, および小腸初回通過代謝が過大評価されている可能性が指摘されている. そこで本稿ではin vitroおよびin vivoでの小腸代謝の評価の現状を紹介するとともに, その問題点を述べる.
ISSN:0916-1139