OCTNトランスポーターファミリーの組織分布・輸送機能の多様性
【目的】薬物の体内動態影響因子として極めて重要な細胞膜透過を担う特異的トランスポーター蛋白の分子生物学的手法を用いた解析が進展してきており, 従来の膜生理学的研究成果によって示唆されてきた膜輸送機構が分子レベルで解明されつつある. 特に, 最近では, 腎肝のような排泄臓器のみならず, 血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞や小腸上皮細胞などバリヤー機能を有すると考えられる組織において薬物などの生体異物の侵入を防ぐ排出トランスポーターの存在が, 膜生理学的実験結果からのみならず, その分子的実体も明らかにされ始めている. また, そのような組織においては内因性物質栄養物の摂取は積極的であり, 取...
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Veröffentlicht in: | 薬物動態 1999, Vol.14 (suppl), p.S114-S115 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】薬物の体内動態影響因子として極めて重要な細胞膜透過を担う特異的トランスポーター蛋白の分子生物学的手法を用いた解析が進展してきており, 従来の膜生理学的研究成果によって示唆されてきた膜輸送機構が分子レベルで解明されつつある. 特に, 最近では, 腎肝のような排泄臓器のみならず, 血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞や小腸上皮細胞などバリヤー機能を有すると考えられる組織において薬物などの生体異物の侵入を防ぐ排出トランスポーターの存在が, 膜生理学的実験結果からのみならず, その分子的実体も明らかにされ始めている. また, そのような組織においては内因性物質栄養物の摂取は積極的であり, 取り込み方向に働くトランスポーターも示されており, トランスポーターを介した活発な細胞内外の物質交換が進行しているものと考えられる. このような薬物動態生理的に重要なトランスポーターはファミリーを形成し, それぞれ類似した活性を有しているが, そのメンバー間で基質選択性や組織分布性に相違点が見られ, それらの動物種間での対応も必ずしも明確となっていないものが多い. それは未だトランスポーター研究の分子レベルでの解析が着手されてまもなく, 前述した点や本来の生理的役割などに関する情報が不十分なことに大きく起因する. |
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ISSN: | 0916-1139 |