DDS的アイデアによる創薬支援研究(興奮性アミノ酸受容体アンタゴニストの腎蓄積軽減)

脳卒中では虚血部位においてグルタミン酸が大量に細胞外に流出し, 急激な濃度上昇によりグルタミン酸受容体の異常な活性化が引き起こされ, 遅延性の神経細胞死につながるとする仮説が広く受け入れられている. この遅延性神経細胞死に大きく関与するグルタミン酸受容体として3つの受容体(NMDA, AMPA, Kinate)が報告され, さらに脳卒中の初期にはNMDA受容体が活性化し, その後にAMPA受容体の活性化が起こることがわかってきた. この結果はNMDA受容体の特異的なアンタゴニストよりもNMDA, AMPA両受容体に親和性を有するアンタゴニストの方がタイムウィンドウ(脳卒中を発症してから患者へ薬...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:薬物動態 1998, Vol.13 (suppl), p.S114-S115
Hauptverfasser: 吉川剛兆, 高橋浩次, 岩下修二, 坂元清志, 加藤育雄, 川崎和夫, 加藤晃, 平野耕一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:脳卒中では虚血部位においてグルタミン酸が大量に細胞外に流出し, 急激な濃度上昇によりグルタミン酸受容体の異常な活性化が引き起こされ, 遅延性の神経細胞死につながるとする仮説が広く受け入れられている. この遅延性神経細胞死に大きく関与するグルタミン酸受容体として3つの受容体(NMDA, AMPA, Kinate)が報告され, さらに脳卒中の初期にはNMDA受容体が活性化し, その後にAMPA受容体の活性化が起こることがわかってきた. この結果はNMDA受容体の特異的なアンタゴニストよりもNMDA, AMPA両受容体に親和性を有するアンタゴニストの方がタイムウィンドウ(脳卒中を発症してから患者へ薬物を有効に効かせることができる時間)の広い薬物が開発できる可能性を示唆している. このストラテジーに立ち, 塩野義製薬研究所ではNMDA, AMPA受容体のデュアルアンタゴニストを探索しS-1080を見出し, 本化合物が脳虚血モデル(ラット)において, 期待通りタイムウィンドウが広くかつ強力な抗虚血効果を示すことがわかった.
ISSN:0916-1139