薬物の消化管吸収におけるP糖タンパク質の機能に及ぼすグレープフルーツジュースなどの効果

近年, グレープフルーツジュース(GFJ)の飲用によって, フェロジピン, ニフエジピン等のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬やテルフェナジン, シクロスポリン等, 種々薬物の血液中濃度が上昇することが報告されている. これら薬物は肝臓同様消化管において主要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4(CYP 3A4)により代謝されることから, この相互作用はGFJ中の成分による消化管CYP 3A4の薬物代謝阻害が原因と考えられている. 最近までに, CYP 3A4阻害物質としてGFJ中のGF-I-1, ベルガモチンなどが同定されている. 一方, CYP 3A4と薬物排出ポンプであるP糖蛋白質(...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:薬物動態 1998, Vol.13 (suppl), p.S110-S111
Hauptverfasser: 高長ひとみ, 大西綾子, 内田淳子, 山田志穂, 松尾浩民, 森元聡, 正山征洋, 澤田康文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, グレープフルーツジュース(GFJ)の飲用によって, フェロジピン, ニフエジピン等のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬やテルフェナジン, シクロスポリン等, 種々薬物の血液中濃度が上昇することが報告されている. これら薬物は肝臓同様消化管において主要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4(CYP 3A4)により代謝されることから, この相互作用はGFJ中の成分による消化管CYP 3A4の薬物代謝阻害が原因と考えられている. 最近までに, CYP 3A4阻害物質としてGFJ中のGF-I-1, ベルガモチンなどが同定されている. 一方, CYP 3A4と薬物排出ポンプであるP糖蛋白質(P-gp)の基質認識性の類似が報告されていることから, GFJ中の成分による消化管P-gpの薬物排出機能の阻害も薬物動態変化の原因となりうると考えられる. そこで本研究では, GFJ及び各種果物ジュースのP-gp排出及びCYP 3A4代謝機能に及ぽす効果について検討を行った.
ISSN:0916-1139