ラットにおけるEbselenの体内動態(第1報):単回経口投与時の吸収,分布,代謝および排泄
絶食雄性ラットに14C-ebselen(50mg/kg)を単回経口投与し,その吸収,分布,代謝および排泄について検討した. 1.血漿中放射能濃度は投与後1時間に最高濃度(Cmax)14.78μg equiv. to ebselen/mlに達し,その後3時間まで半減期(t1/2)2.1hrで減衰した.4時間に第2のピークを示したのち,8時間までt1/2,6.6hrで減衰した.12時間に第3のピークを示したのち,減衰した. 2.ほとんどの組織において組織内の放射能濃度は投与後2時間までに最高濃度(Cmax)を示した.白色脂肪,褐色脂肪,副腎,皮膚,肝臓,ハーダー腺および腎臓などに放射能は高濃度で分...
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Veröffentlicht in: | 薬物動態 1997/12/31, Vol.12(6), pp.596-609 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 絶食雄性ラットに14C-ebselen(50mg/kg)を単回経口投与し,その吸収,分布,代謝および排泄について検討した. 1.血漿中放射能濃度は投与後1時間に最高濃度(Cmax)14.78μg equiv. to ebselen/mlに達し,その後3時間まで半減期(t1/2)2.1hrで減衰した.4時間に第2のピークを示したのち,8時間までt1/2,6.6hrで減衰した.12時間に第3のピークを示したのち,減衰した. 2.ほとんどの組織において組織内の放射能濃度は投与後2時間までに最高濃度(Cmax)を示した.白色脂肪,褐色脂肪,副腎,皮膚,肝臓,ハーダー腺および腎臓などに放射能は高濃度で分布し,大部分の組織において放射能濃度は血漿中のそれと同程度かそれ以上であった.投与後96時間にはいずれの組織においても放射能濃度は各Cmaxの0.1%以下に減衰し,放射能の組織残留性は小さかった.放射能の血球結合率は投与後30分から12時間までは4.5~28,4%であったが,以後経時的に増加し,投与後72時間では血液中放射能の大部分が血球中に認められた.放射能の血漿蛋白結合率は投与後1~24時間で92~97%と高く,投与後1時間の血漿サンプルを活性炭処理したところ,血漿中放射能濃度は処理前の14%に低下した.ブランク血漿サンプルへの0.2~20μg/mlの濃度の14C-ebselenの添加で血漿蛋白結合率は99%以上であった.18μg/mlの14C-ebselenを添加した血漿サソプルを活性炭処理すると,血漿中放射能濃度は処理前の71%となった. 3.Ebselen未変化体は尿,血漿および胆汁中いずれにおいても存在が認められていない.血漿中にebselenと血漿チオール蛋白とのselenosulfide(Se-S)結合体,S-[2-(phenylcarbamoyl)phenylseleno]protein (Se-Scomplex,ここでproteinは血漿中では主にアルプミン)が存在することが明らかとなった.14C-ebselenを雄性ラットに単回経口投与した時,dithiothreitolによる還元処理で血漿蛋白から解離する放射能量としてSe-Scomplex濃度を算出した.Se-S complexの濃度は投与後1時間にCmax,3.39μg eq. to ebselen/mlを示した後,t1/2,7.0hrで減衰した.これがselenol中間体まで還元され,selenol体が主としてSe原子がメチル化(M-7の生成)あるいはグルクロン酸抱合(M-1の生成)を受け,生成したM-7はさらに酸化代謝を受ける(M-4の生成)ものと考えられる.14C-ebselenを雄性ラットに単回経口投与した時,血漿中ではM-7,M-4およびM-1を含む極性代謝物が主として認められた. 4.尿および糞中への放射能の排泄は投与後48時間までにほぼ終了し,96時間までにそれぞれ投与量の58.9%および40.1%が排泄された. |
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ISSN: | 0916-1139 |
DOI: | 10.2133/dmpk.12.596 |