Omeprazoleのラットにおける代謝物の同定

Omeprazoleはbenzimidazole誘導体で胃酸分泌の最終過程でプロトンポンプとして働く壁細胞のH+, K+-ATPaseを阻害することにより, 強力かつ持続的に胃酸分泌を抑制する1). 本剤はすでに経口剤として販売されており, 臨床的に胃潰瘍, 十二指腸潰瘍, 吻合部潰瘍, 逆流性食道炎, Zollinger-Ellison症候群に対し高い治療効果を示す. ヒトおよび実験動物におけるomeprazoleの体内動態が検討され, いずれの動物種においてもomeprazoleは体内で速やかに代謝され, 尿中に未変化体はほとんど排泄されないことが報告されている2-4). さらに, 14C...

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Veröffentlicht in:薬物動態 1996-02, Vol.11 (1), p.45-56
Hauptverfasser: 白神歳文, 島谷憲司, 佐藤明啓, 岩崎一秀, 戸塚善三郎, 秦 武久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Omeprazoleはbenzimidazole誘導体で胃酸分泌の最終過程でプロトンポンプとして働く壁細胞のH+, K+-ATPaseを阻害することにより, 強力かつ持続的に胃酸分泌を抑制する1). 本剤はすでに経口剤として販売されており, 臨床的に胃潰瘍, 十二指腸潰瘍, 吻合部潰瘍, 逆流性食道炎, Zollinger-Ellison症候群に対し高い治療効果を示す. ヒトおよび実験動物におけるomeprazoleの体内動態が検討され, いずれの動物種においてもomeprazoleは体内で速やかに代謝され, 尿中に未変化体はほとんど排泄されないことが報告されている2-4). さらに, 14C標識omeprazoleを各種動物に投与後の尿中には多数の放射性代謝物が検出されており2-6), omeprazoleの代謝経路は複雑なものと推定されている. 現在までに同定された代謝物の構造より, omeprazoleはsulfinyl(SO)基の酸化と還元, pyridine環メチル基の水酸化, さらにカルボン酸への酸化, メトキシ基の脱メチル化, benzimi-dazole環の水酸化およびグルクロン酸あるいは硫酸抱合反応などにより代謝されることが報告されている2, 4).
ISSN:0916-1139