安定同位元素を用いた薬物代謝研究

安定同位元素(SI)標識体のヒトにおける薬物代謝体内動態研究への応用は従来からも用いられてきたし, 今後もRI標識体での体内動態研究を補完する手法として使用されよう. 薬物代謝体内動態研究の本質は, 投与された薬物の生体内での追跡にあるので, それを支えるトレーサー分析法の進歩にその研究展開は大きく依存する. RI標識体については日本で開発されたRadioluminographyが今後の研究手法として注目されているし, SI標識体についてもGC/IR-MS, LC/MSのMS分析法およびMRI, MRSのNMR分析法の急速な進歩は, 薬物代謝体内動態研究の内容の高度化, 精密化に呼応してその有...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:薬物動態 1993-06, Vol.8 (3), p.379-389
1. Verfasser: 伯水英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:安定同位元素(SI)標識体のヒトにおける薬物代謝体内動態研究への応用は従来からも用いられてきたし, 今後もRI標識体での体内動態研究を補完する手法として使用されよう. 薬物代謝体内動態研究の本質は, 投与された薬物の生体内での追跡にあるので, それを支えるトレーサー分析法の進歩にその研究展開は大きく依存する. RI標識体については日本で開発されたRadioluminographyが今後の研究手法として注目されているし, SI標識体についてもGC/IR-MS, LC/MSのMS分析法およびMRI, MRSのNMR分析法の急速な進歩は, 薬物代謝体内動態研究の内容の高度化, 精密化に呼応してその有用性が再認識される必要がある. SI標識体とRI標識体は, それぞれにその有用性に特長を有し, 個々に, それぞれの研究目的に応じて, その特徴を十分に活かし共用されるべきと考える. 1. SI標識体とRI標識体の比較 RI標識体は自身が発生する放射能を測定すれば良いので, 複雑な生体マトリックス中での特異的検出には極めて適しており, 非臨床試験の動物での薬物動態試験ではトレーサーとして欠かせない存在である.
ISSN:0916-1139