遺伝子組換えヒト組織性 plasminogen activator (rt-PA)の体内動態に関する研究 (1)ラットに単回投与した時の血中濃度推移,分布,代謝および排泄

rt-PA (recombinant tissue plasminogen activator, GMK-527)は, 米国 Genentech 社において遺伝子組換え技術を応用して開発されたもので, 哺乳動物細胞により生産される527個のアミノ酸よりなる糖蛋白質である. この rt-PA は, 静脈内投与により冠動脈血栓を早期にかつ高頻度で溶解することができる一方, 血液凝固線溶系には重大な影響を及ぼさないことが明らかにされており1, 2), 急性心筋梗塞症に対する有効な血栓溶解剤として開発中り薬物である. Tissue plasminogen activator (t-PA)のラットにおけ...

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Veröffentlicht in:薬物動態 1988-06, Vol.3 (3), p.309-329
Hauptverfasser: 飯田成宇, 岩本正人, 鈴木将之, 久永紀子, 辻井直樹, 小松貞子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:rt-PA (recombinant tissue plasminogen activator, GMK-527)は, 米国 Genentech 社において遺伝子組換え技術を応用して開発されたもので, 哺乳動物細胞により生産される527個のアミノ酸よりなる糖蛋白質である. この rt-PA は, 静脈内投与により冠動脈血栓を早期にかつ高頻度で溶解することができる一方, 血液凝固線溶系には重大な影響を及ぼさないことが明らかにされており1, 2), 急性心筋梗塞症に対する有効な血栓溶解剤として開発中り薬物である. Tissue plasminogen activator (t-PA)のラットにおける体内動態については, Nilssone et al. 3)がヒトのメラノーマ細胞由来の t-PA(mt-PA)の125I 標識体を用いて若干の組織内分布と尿, 糞中への排泄について, またHaggroth et 4)が血漿中に mt-PAを添加した時, mt-PAが α2-macroglobulin および α2-antiplasmin などの t-PA inhibitors と複合体を形成することを報告しているにすぎず, rt-PA については体内動態を検討した報告はない. そこで今回, rt-PA のラットにおける体内動態を明らかにするために, rt-PAの125I 標識体を合成し, それをラットに単回静脈内投与した時の, 血中濃度推移, 分布, 代謝および排泄について検討を行ったので, 以下に報告する.
ISSN:0916-1139