マロチラートのラット胆汁中代謝物S-glucuronideの構造決定
[目的]肝臓用薬マロチラート経口投与後のラット胆汁中に主代謝物M-11を検出し, その構造を解明したので報告する. [結果]14C-マロチラート経口投与後のラット胆汁からDEAE-sephadexカラム等によりM-11を49mg単離した. M-11はβ-glucuronidaseで加水分解されたが阻害剤共存下に水解されずグルクロン酸抱合体であろうことが推定された. 高分解能FAB-MSからM-11の分子量は440, 分子組成はC16 H24 O10 S2であった. アグリコン部分には2個のイオウ原子が保持されていると考えられた. 13C-, 1H-NMR及びUV等から2箇所のイソプロピルエステ...
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Veröffentlicht in: | 薬物動態 1987, Vol.2(4), pp.434-435 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]肝臓用薬マロチラート経口投与後のラット胆汁中に主代謝物M-11を検出し, その構造を解明したので報告する. [結果]14C-マロチラート経口投与後のラット胆汁からDEAE-sephadexカラム等によりM-11を49mg単離した. M-11はβ-glucuronidaseで加水分解されたが阻害剤共存下に水解されずグルクロン酸抱合体であろうことが推定された. 高分解能FAB-MSからM-11の分子量は440, 分子組成はC16 H24 O10 S2であった. アグリコン部分には2個のイオウ原子が保持されていると考えられた. 13C-, 1H-NMR及びUV等から2箇所のイソプロピルエステルは代謝されずに存在しており, メチレンマロネート共役系にも大きな変化はなかった. ジチオラン環ではエチレン部分が脱離しており, 2個のイオウのうち1個はSH基として存在するが, 残りはグルクロン酸との結合に関与し, S-glucuronideであることが推定された. アグリコンの構造をより明確に確認する目的でM-11をβ-glucuronidaseで酵素水解したが, 生成したアグリコンが不安定なため単離できなかった. 安定なアグリコンを得るため, M-11をジアゾメタンでジメチル体(I)とした後に, メチルエステル部分をエステラーゼで加水分解しモノメチル体(II)とした. |
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ISSN: | 0916-1139 |
DOI: | 10.2133/dmpk.2.434 |