術中超音波検査が脳塞栓予防に有効であった頸動脈内膜剥離術の2症例

「はじめに」 頸部頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)は広く有効性が確立された治療法であり, ガイドラインでも高い推奨度で勧められた治療法である. 同じく頸部頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting : CAS)の件数が増加しているが, そういったなかでCASよりも侵襲性の高いCEAには, より低い周術期合併症率が求められる. 今回, 術中の超音波エコー検査によって頸動脈内血栓を発見でき術後の脳塞栓を予防できた症例を2例経験したので報告する. なお, 本報告においては2例とも, 患者本人...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2024, Vol.37(2), pp.64-67
Hauptverfasser: 鈴木, 脩斗, 斉藤, 修, 稲垣, 徹, 入江, 伸介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」 頸部頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)は広く有効性が確立された治療法であり, ガイドラインでも高い推奨度で勧められた治療法である. 同じく頸部頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting : CAS)の件数が増加しているが, そういったなかでCASよりも侵襲性の高いCEAには, より低い周術期合併症率が求められる. 今回, 術中の超音波エコー検査によって頸動脈内血栓を発見でき術後の脳塞栓を予防できた症例を2例経験したので報告する. なお, 本報告においては2例とも, 患者本人より同意を得ている. 「症例」 症例1 患者 : 74歳, 男性. 既往歴 : 高血圧, 脳梗塞. 内服薬 : アスピリン100mg/日. 現病歴 : 左下肢の脱力を感じ外来を独歩で受診した. 頭部magnetic resonance imaging(MRI)を撮像したところ, diffusion weighted imaging(DWI)で右前頭葉白質に小さな高信号域を認め, 脳梗塞の診断で入院となった.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.37.64