迷走神経刺激術前の超音波を用いた迷走神経の解剖学的評価

「はじめに」 迷走神経刺激術(vagus nerve stimulation : VNS)は, てんかん治療のための新しい手術法である. VNSでは, 左迷走神経の解剖学的同定が不可欠である. 左迷走神経は, 頸部では頸静脈孔から頭蓋外に出て走行し, 総頸動脈とともにその深部外側を下降し, 大動脈弓に至るまでに腹側に走行を変える. Giovagnorioらは, 迷走神経は超音波検査で確認され, 甲状腺の中1/3の高さで深部外側から腹側へ横切っていることを報告している. 左迷走神経の心臓枝の損傷を避けるため, VNSの皮膚切開は頸部下部が望ましいが, 皮膚切開の位置はさまざまである. Takam...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2024, Vol.37(1), pp.3-7
Hauptverfasser: 貞廣, 浩和, 井本, 浩哉, 杉本, 至健, 藤井, 奈津美, 野村, 貞宏, 石原, 秀行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 迷走神経刺激術(vagus nerve stimulation : VNS)は, てんかん治療のための新しい手術法である. VNSでは, 左迷走神経の解剖学的同定が不可欠である. 左迷走神経は, 頸部では頸静脈孔から頭蓋外に出て走行し, 総頸動脈とともにその深部外側を下降し, 大動脈弓に至るまでに腹側に走行を変える. Giovagnorioらは, 迷走神経は超音波検査で確認され, 甲状腺の中1/3の高さで深部外側から腹側へ横切っていることを報告している. 左迷走神経の心臓枝の損傷を避けるため, VNSの皮膚切開は頸部下部が望ましいが, 皮膚切開の位置はさまざまである. Takamizawaらは, 迷走神経の位置には個人差があり, VNS術中において同じような皮膚切開の位置でも, 深部に存在することもあれば, 表層に存在することもあると報告している. 実際に同じ切開位置であっても, 左迷走神経が頸動脈鞘の深部に確認できる症例もあれば, 内頸静脈の表層に確認できる症例もある.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.37.3