東日本大震災における南三陸町・登米市避難所の深部静脈血栓症の検出率と危険因子の検討─下肢外傷は災害時血栓の独立した危険因子である

「はじめに」 2004年の新潟中越地震では, 車中泊者における肺塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)死亡例が報告され, その後の能登半島地震, 新潟中越沖地震, 岩手・宮城内陸地震の避難所における下肢静脈エコー検診では, 避難所や仮設住宅に深部静脈血栓症(deep venous thrombosis : DVT)の発生が認められた. しかし, DVT増加の原因は明らかになっていない. 2011年3月11日の東日本大震災では, 津波による広範囲な浸水により被災者は避難所生活を余儀なくされ, PTEの発生が危惧された. 南三陸町では津波により最大9,753名の被...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2016, Vol.29(2), pp.104-107
Hauptverfasser: 坪内, 啓正, 山村, 修, 宮下, 芳幸, 徳力, 左千男, 廣部, 健, 前田, 文江, 清水, 禎夫, 木村, 裕治, 江端, 清和, 柴田, 宗一, 榛沢, 和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 2004年の新潟中越地震では, 車中泊者における肺塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)死亡例が報告され, その後の能登半島地震, 新潟中越沖地震, 岩手・宮城内陸地震の避難所における下肢静脈エコー検診では, 避難所や仮設住宅に深部静脈血栓症(deep venous thrombosis : DVT)の発生が認められた. しかし, DVT増加の原因は明らかになっていない. 2011年3月11日の東日本大震災では, 津波による広範囲な浸水により被災者は避難所生活を余儀なくされ, PTEの発生が危惧された. 南三陸町では津波により最大9,753名の被災者が避難所に殺到し, 人口密度が高く混み合った状態が長期間続いた. 今回われわれは, 被災地である宮城県南三陸町と登米市の避難所で下肢静脈エコー検診を実施し, PTEの塞栓源であるDVT検出頻度と危険因子の関係を検討したので報告する.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.29.104