TCDモニタリングを参考に治療を行った頚部内頚動脈解離の2症例

「1. はじめに」頸部内頸動脈解離は若年性脳梗塞の原因となり, その頻度は年間10万人当たり2~3人とされている7). 治療は抗凝固療法や抗血小板療法が推奨されているが, プラセボと比較したrandomised trialは存在せず, 明確なエビデンスがないため, その使用に関しては論議がある. 一方, transcranial Doppler(TCD)は微小栓子の検出が可能であり, 症候性内頸動脈狭窄においては再発の予測因子となる4). 今回, 頸部内頸動脈解離を原因とする若年性脳梗塞の患者2例を, TCDモニタリングと頸部血管エコー検査を参考に治療を行ったので報告する. 「2. 症例」[症...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2010/04/30, Vol.23(1), pp.9-12
Hauptverfasser: 貞廣, 浩和, 石原, 秀行, 米田, 浩, 加藤, 祥一, 吉野, 弘子, 井本, 浩哉, 篠山, 瑞也, 前田, 佳彦, 岡, 史朗, 鈴木, 倫保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」頸部内頸動脈解離は若年性脳梗塞の原因となり, その頻度は年間10万人当たり2~3人とされている7). 治療は抗凝固療法や抗血小板療法が推奨されているが, プラセボと比較したrandomised trialは存在せず, 明確なエビデンスがないため, その使用に関しては論議がある. 一方, transcranial Doppler(TCD)は微小栓子の検出が可能であり, 症候性内頸動脈狭窄においては再発の予測因子となる4). 今回, 頸部内頸動脈解離を原因とする若年性脳梗塞の患者2例を, TCDモニタリングと頸部血管エコー検査を参考に治療を行ったので報告する. 「2. 症例」[症例1] 38歳の男性. 某日, 突然の左片麻痺と構音障害にて発症した. 前医にて発症2時間でt-PA投与された. 症状改善無く, 血管内治療目的に当院紹介となった. 当院来院時, JCS10の意識障害を認めた. 左片麻痺(上肢=1/5, 下肢=3/5)と構音障害を認め, NIHSSは10点であった.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.23.9