診断,治療効果の判定に側頭動脈エコー検査が有用であった側頭動脈炎症例の検討

「はじめに」側頭動脈炎(または巨細胞動脈炎)は大動脈から中等度大の動脈までの血管壁に炎症反応を起こし, 内弾性板の断裂, 内膜増殖, リンパ球, 組織球, 好酸球, 多核巨細胞の浸潤を伴う肉芽腫性炎症を特徴とする. 北欧や北米に多く認められ, 本邦では10万人あたり1.47人とまれな疾患である8). 進行すると視神経などに不可逆的な障害をきたすため, 迅速な診断と治療が重要である3). 一方, 血管エコー検査は, その非侵襲性, 簡便性から, 頸動脈や下肢動静脈を中心として全身血管の評価に広く用いられるようになってきた. 側頭動脈は, 表在血管であり, 血管エコー検査でも比較的簡単に描出でき,...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2008/10/31, Vol.21(2), pp.107-111
Hauptverfasser: 濱口, 浩敏, 今西, 孝充, 高坂, 仁美, 安井, 直子, 小田, 哲也, 苅田, 典生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」側頭動脈炎(または巨細胞動脈炎)は大動脈から中等度大の動脈までの血管壁に炎症反応を起こし, 内弾性板の断裂, 内膜増殖, リンパ球, 組織球, 好酸球, 多核巨細胞の浸潤を伴う肉芽腫性炎症を特徴とする. 北欧や北米に多く認められ, 本邦では10万人あたり1.47人とまれな疾患である8). 進行すると視神経などに不可逆的な障害をきたすため, 迅速な診断と治療が重要である3). 一方, 血管エコー検査は, その非侵襲性, 簡便性から, 頸動脈や下肢動静脈を中心として全身血管の評価に広く用いられるようになってきた. 側頭動脈は, 表在血管であり, 血管エコー検査でも比較的簡単に描出でき, 血管の状態を容易に評価することが可能である. しかし, 本邦では側頭動脈炎のエコー所見について, これまでにまとまった評価を行った報告は認めない. 今回我々は, 側頭動脈炎の診断, 治療効果の判定における側頭動脈エコー検査の有用性について報告する.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.21.107