脳卒中患者における下肢静脈血栓症の予防-超音波検査法による予防効果の評価

2004年4月より肺血栓塞栓予防管理料が保険適応となり, 弾性ストッキングまたは間欠的空気圧迫装置による下肢静脈血栓症(deep vein thrombosis, 以下DVT)の積極的予防が推奨されるようになった. 本邦では従来DVT予防についての関心が低く, 欧米のガイドラインに準じた取り組みが行われているのが現状である6). 一般外科, 整形外科, 産婦人科, 脳神経外科領域等の周術期におけるDVT予防に比べ, 同じ高リスク群に分類される脳卒中後のDVT予防に関しては臨床的検討は少なく1, 2, 5, 9, 10), 適切なDVT予防法は確立していないのが現状と思われる. 脳卒中治療ガイド...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurosonology 2005, Vol.18(1), pp.14-17
Hauptverfasser: 渡部, 憲昭, 前谷津, 文雄, 荒井, 祥一, 今田, 隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2004年4月より肺血栓塞栓予防管理料が保険適応となり, 弾性ストッキングまたは間欠的空気圧迫装置による下肢静脈血栓症(deep vein thrombosis, 以下DVT)の積極的予防が推奨されるようになった. 本邦では従来DVT予防についての関心が低く, 欧米のガイドラインに準じた取り組みが行われているのが現状である6). 一般外科, 整形外科, 産婦人科, 脳神経外科領域等の周術期におけるDVT予防に比べ, 同じ高リスク群に分類される脳卒中後のDVT予防に関しては臨床的検討は少なく1, 2, 5, 9, 10), 適切なDVT予防法は確立していないのが現状と思われる. 脳卒中治療ガイドライン2004 12)においても, 弾性ストッキングによる脳卒中患者のDVT予防効果については十分な科学的根拠は示されていないとされている. 我々はこれまで超音波検査法を用い重度片麻痺を伴う脳卒中急性期患者のDVTの発生率, 下肢静脈超音波所見について検討し報告してきた14). 今回, 脳卒中発症早期からの弾性ストッキング着用による麻痺側下肢のDVT予防効果について超音波検査法を用い検討したので報告する.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.18.14