超音波による中枢神経系細胞への遺伝子導入
遺伝子治療はアメリカ, ヨーロッパなどから臨床研究がスタートし, 日本でもようやく研究が進んできたが, これらの研究の結果からこの治療法における問題点が次々と明らかになってきた. 適応疾患も最初は癌などの難治性疾患に限定されていたが, 対象にかならずしも死に直結しない疾患も含まれるようになると, 遺伝子の導入効率に起因する治療成績や炎症, 発癌などの副作用が大きな問題となってきた. 我々は, これら導入効率や副作用の問題は, 遺伝子の導入を行なうベクター自体の改善でかなり解消できるのではないかと考え, 超音波による遺伝子導入, すなわち音響ベクター法の開発に取り組んでいる. 現在, 遺伝子治療...
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Veröffentlicht in: | Neurosonology 2005, Vol.18(1), pp.5-7 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 遺伝子治療はアメリカ, ヨーロッパなどから臨床研究がスタートし, 日本でもようやく研究が進んできたが, これらの研究の結果からこの治療法における問題点が次々と明らかになってきた. 適応疾患も最初は癌などの難治性疾患に限定されていたが, 対象にかならずしも死に直結しない疾患も含まれるようになると, 遺伝子の導入効率に起因する治療成績や炎症, 発癌などの副作用が大きな問題となってきた. 我々は, これら導入効率や副作用の問題は, 遺伝子の導入を行なうベクター自体の改善でかなり解消できるのではないかと考え, 超音波による遺伝子導入, すなわち音響ベクター法の開発に取り組んでいる. 現在, 遺伝子治療用のベクターはウイルスを利用するものと非ウイルス性のものとに大きく分類されるが, ウイルスを用いるものでは感染による細胞障害効果やウイルス自体の潜在的な危険性, ウイルス蛋白の発現による免疫原性などの問題があり, 安全性の面から解決されなければならない面が非常に多い3). |
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ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.18.5 |