超音波検査法による脳卒中後重度片麻痺患者における下肢静脈血栓の検討

近年, 下肢深部静脈血栓症(deep vein thrombosis, 以下DVT)に起因する肺塞栓症の危険性に関心が高まり, 予防の重要性が認識されるようになってきている. 2000年の厚生省の報告によれば, 本邦における肺塞栓症による死亡者数は10年間で2.8倍に増加している. 脳卒中は, 整形外科, 腹部外科手術と同様にDVTのhighrisk群とされているが5), これまで本邦では脳卒中診療におけるDVTへの関心は低く, 臨床的検討は少なかった. IST(intemational stroke trial)の報告8)では, 脳梗塞急性期における肺塞栓症の合併頻度は0.8%とされているが...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2003-12, Vol.16 (3), p.164-167
Hauptverfasser: 渡部憲昭, 前谷津文雄, 荒井祥一, 今田隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 下肢深部静脈血栓症(deep vein thrombosis, 以下DVT)に起因する肺塞栓症の危険性に関心が高まり, 予防の重要性が認識されるようになってきている. 2000年の厚生省の報告によれば, 本邦における肺塞栓症による死亡者数は10年間で2.8倍に増加している. 脳卒中は, 整形外科, 腹部外科手術と同様にDVTのhighrisk群とされているが5), これまで本邦では脳卒中診療におけるDVTへの関心は低く, 臨床的検討は少なかった. IST(intemational stroke trial)の報告8)では, 脳梗塞急性期における肺塞栓症の合併頻度は0.8%とされているが, 脳卒中急性期には比較的少なく, 急性期からリハビリヘの移行時期, とくに発症後2~4週間にfatalな肺塞栓症を起こしやすいとの報告9)もみられる. そこで今回, 脳卒中急性期以降, 片麻痺の残存した症例を対象とし, 超音波検査法を用いたDVTスクリーニングを行い, DVTの頻度, 超音波検査所見, 超音波検査法の有用性について検討したので報告する.
ISSN:0917-074X