奇異性脳塞栓症における下肢静脈超音波検査による血栓検出

経食道心エコーの普及により, 原因不明の脳梗塞において42~57%に卵円孔開存が存在し奇異性脳塞栓症が原因であると報告されている3, 13, 16, 22). 奇異性脳塞栓症の塞栓源として深部静脈血栓(deep vein thrombosis:DVT)が重要である. 一方, DVTの確定診断は以前より, 下肢静脈血管造影がgold standardとされてきたが, 近年, 超音波検査(ultrasonography:US)の有用性が報告され, 下肢静脈血管造影と比較し, 感度, 特異度, 共に高く1, 10, 17), また無侵襲でベッドサイドにて施行できることより, 現在, スクリーニング検...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2003-12, Vol.16 (3), p.160-163
Hauptverfasser: 石崎雅俊, 稲富雄一郎, 宮下史生, 米原敏郎, 藤岡正導, 井浦憲治, 橋本洋一郎, 平野照之, 内野誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:経食道心エコーの普及により, 原因不明の脳梗塞において42~57%に卵円孔開存が存在し奇異性脳塞栓症が原因であると報告されている3, 13, 16, 22). 奇異性脳塞栓症の塞栓源として深部静脈血栓(deep vein thrombosis:DVT)が重要である. 一方, DVTの確定診断は以前より, 下肢静脈血管造影がgold standardとされてきたが, 近年, 超音波検査(ultrasonography:US)の有用性が報告され, 下肢静脈血管造影と比較し, 感度, 特異度, 共に高く1, 10, 17), また無侵襲でベッドサイドにて施行できることより, 現在, スクリーニング検査に広く用いられる. DVTの検出は奇異性脳塞栓症の診断を強く支持しうる. しかし一方で脳梗塞の患者では, 麻痺, 入院後の安静臥床, といった因子がDVT形成に関与するとの報告も散見される2, 5, 19, 21). また逆に発症時に下肢静脈に存在した栓子が残らず遊離する可能性や, 入院後の抗血栓療法により検査前に消滅する可能性もある.
ISSN:0917-074X