脳塞栓症の原因となった動注化学療法カテーテル評価に超音波診断が有用であった1例

原発性肝癌や転移性肝腫瘍に対する集学的治療法のひとつとして, 皮下埋め込み型動注アクセスによる持続動注化学療法が行われ, 一定の効果をあげている2,3,6,9,10). われわれは, 大腸癌原発の多発性肝転移に対して抗癌剤持続動注療法を施行した症例に椎骨動脈系の脳塞栓症を発症し, 超音波検査がその病態診断に有用であった1例を経験したので報告する. 症例 症例:SH47歳女性 主訴:右不全片麻痺および失語 既往歴:平成10年10月7日, 肝転移を伴う進行性のS状結腸癌に対してS状結腸, 子宮付属器切除術および肝動注用カテーテル(経腹腔動脈)留置術を施行した. 術後, 留置リザーバーから抗癌剤(5...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurosonology 2002-12, Vol.15 (3/4), p.146-150
Hauptverfasser: 高瀬憲作, 桑山一行, 樫原道治, 本藤秀樹, 金村賦之, 林尚彦, 永廣信治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:原発性肝癌や転移性肝腫瘍に対する集学的治療法のひとつとして, 皮下埋め込み型動注アクセスによる持続動注化学療法が行われ, 一定の効果をあげている2,3,6,9,10). われわれは, 大腸癌原発の多発性肝転移に対して抗癌剤持続動注療法を施行した症例に椎骨動脈系の脳塞栓症を発症し, 超音波検査がその病態診断に有用であった1例を経験したので報告する. 症例 症例:SH47歳女性 主訴:右不全片麻痺および失語 既往歴:平成10年10月7日, 肝転移を伴う進行性のS状結腸癌に対してS状結腸, 子宮付属器切除術および肝動注用カテーテル(経腹腔動脈)留置術を施行した. 術後, 留置リザーバーから抗癌剤(5-FU 1500mg/5時間)の持続動注療法を週1度行っていた. 平成12年2月7日, 留置カテーテルが閉塞したため, 局所麻酔下に左鎖骨下動脈から逆行性に固有肝動脈にカテーテルを留置し, 左鎖骨下皮下にリザーバー, ポートを設置した. 現病歴:平成12年6月30日, 5-FU1500mgを5時間かけて注入し, その後ヘパリンロックを行い, 異常なく帰宅した.
ISSN:0917-074X