超音波検査が診断に有用であった頸部交感神経鞘腫の1例

はじめに かつて頸部原発腫瘍の術前組織学的診断は困難であると言われていた14). しかし, CT, MRIや超音波検査の進歩によりかなり容易になってきている1,2,7,16). 最近われわれは頸部交感神経から発生した神経鞘腫の1例を経験し, 手術で全摘出できた. この例の超音波検査所見を中心に若干の知見を加えて報告する. 症例 症例:K.S. 67歳 女性 主訴:右頸部無痛性腫瘤 既往歴:60歳時にC型慢性肝炎を指摘され加療中である. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成10年5月中旬, 洗顔時に右頸部の無痛性腫瘤に気がついた. 6月初旬, 近医耳鼻科を受診し, 精査加療目的で当科に紹介...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurosonology 1999-11, Vol.12 (4), p.195-199
Hauptverfasser: 高瀬憲作, 平澤元浩, 瀧本理, 樫原道治, 本藤秀樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに かつて頸部原発腫瘍の術前組織学的診断は困難であると言われていた14). しかし, CT, MRIや超音波検査の進歩によりかなり容易になってきている1,2,7,16). 最近われわれは頸部交感神経から発生した神経鞘腫の1例を経験し, 手術で全摘出できた. この例の超音波検査所見を中心に若干の知見を加えて報告する. 症例 症例:K.S. 67歳 女性 主訴:右頸部無痛性腫瘤 既往歴:60歳時にC型慢性肝炎を指摘され加療中である. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成10年5月中旬, 洗顔時に右頸部の無痛性腫瘤に気がついた. 6月初旬, 近医耳鼻科を受診し, 精査加療目的で当科に紹介された. 入院時所見:右側頸部の頸動脈分岐部付近に3×4cmの卵円形の腫瘤を触知した. 腫瘤は弾性硬で, 皮膚や筋肉組織との癒着はなく, 頸動脈とともに拍動を認めた. 頸部や鎖骨上窩のリンパ節は触知しなかった. 神経学的には, 軽度の嚥下障害を認めるのみで, 嗄声やHorner症候などの異常所見は認めなかった.
ISSN:0917-074X