モヤモヤ病のTranscranial Dopplerによる脳血流速度分類

はじめに モヤモヤ病は特異的な血管写所見を呈する進行性の閉塞性脳血管障害であり, 本邦人に多く見られるが, その病因などについてはいまだ不明な点が多い8,13,15). モヤモヤ病における主幹脳動脈の血流速度についての報告も少ないようである8,15). われわれの施設ではトランスクラニアルドプラ(以下TCD)を用いてモヤモヤ病症例の脳血流速度測定を行ない, TCDにおけるモヤモヤ病症例の病型分類を試みた. 次いでその結果と症例の年令, 発症時の臨床診断, 脳血管写分類とを対比し検討した. 対象と方法 今回対象とした症例は, 脳血管撮影でモヤモヤ病と診断された17例(男5例, 女12例, 6歳か...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurosonology 1997-08, Vol.10 (3), p.96-101
Hauptverfasser: 高瀬憲作, 樫原道治, 鈴江淳彦, 瀧本理, 橋本常世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに モヤモヤ病は特異的な血管写所見を呈する進行性の閉塞性脳血管障害であり, 本邦人に多く見られるが, その病因などについてはいまだ不明な点が多い8,13,15). モヤモヤ病における主幹脳動脈の血流速度についての報告も少ないようである8,15). われわれの施設ではトランスクラニアルドプラ(以下TCD)を用いてモヤモヤ病症例の脳血流速度測定を行ない, TCDにおけるモヤモヤ病症例の病型分類を試みた. 次いでその結果と症例の年令, 発症時の臨床診断, 脳血管写分類とを対比し検討した. 対象と方法 今回対象とした症例は, 脳血管撮影でモヤモヤ病と診断された17例(男5例, 女12例, 6歳から58歳, 平均年齢30.0歳)である(Table 1).CT所見上, 直径2cm以上の脳内血腫を伴った例や広範な低吸収域を示した脳梗塞症例は除外した. また, 頭蓋外内血管吻合術など生理的な脳循環動態を変化させる可能性のある操作をまったく行なっていない例を対象とした.
ISSN:0917-074X