同時連続測定法による過呼吸時の内頸および椎骨動脈血流変化

1.目的 脳血流の変化は脳卒中や頭蓋内圧亢進など種々の病態だけでなく, 睡眠一覚醒1)などとも密接に関係している. 近年PET (Positron Emission Tomography)等を用いた脳の三次元的血流計測が健常者に感覚刺激をあたえたとき2)や, 種々の病態たとえば脳卒中や痴呆において報告されている3)4). しかしこれらのラジオアイソトープ法や, あるいはX線検査等を用いても, 複数血管の血流変化を同時に精細に観察することは困難である. 筆者らはヒトの両側内頸および椎骨動脈の血流速度を超音波ドプラ法を用いて同時に連続して記録し, 脳血流変化を研究している. 今回, 健常者において...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 1990, Vol.3 (1), p.7-11
Hauptverfasser: 近藤秀樹, 古河辰之, 明石恵司, 槇永剛一, 角達彦, 東野健一, 田中重実, 金子仁郎, 宮崎学, 西村健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.目的 脳血流の変化は脳卒中や頭蓋内圧亢進など種々の病態だけでなく, 睡眠一覚醒1)などとも密接に関係している. 近年PET (Positron Emission Tomography)等を用いた脳の三次元的血流計測が健常者に感覚刺激をあたえたとき2)や, 種々の病態たとえば脳卒中や痴呆において報告されている3)4). しかしこれらのラジオアイソトープ法や, あるいはX線検査等を用いても, 複数血管の血流変化を同時に精細に観察することは困難である. 筆者らはヒトの両側内頸および椎骨動脈の血流速度を超音波ドプラ法を用いて同時に連続して記録し, 脳血流変化を研究している. 今回, 健常者において過呼吸負荷とその前後の内頸・椎骨動脈の血流変化を検討したので報告する. 過呼吸は, その脳血流減少作用により頭部外傷での頭蓋内圧亢進の治療に利用され5), 過呼吸によるヒト6)や動物7)8)9)における脳血流変化が現在も広く研究されている研究テーマである. われわれの検索した範囲では, ヒトで複数の脳血管における血流変化を詳しく検討した報告は, 本論文が世界で最初である.
ISSN:0917-074X