日本脳炎乳児例における脳エコー像の経時的観察
1.はじめに 脳エコー上, 両側視床の異常エコー像を呈する病態として, 新生児仮死の高エコー像の1)-3)報告が散見されるが, それ以外の疾患に関しては報告がない. 今回われわれは, 生後3ヵ月の日本脳炎罹患児に, 脳エコー像で両側視床の高エコー像を認めたので報告する. 2.症例 症例は栃木県在住の3ヵ月男児で, 主訴は発熱, 痙攣であった. 家族歴, 既住歴に特記すべきことは無かった. 1988年9月14日より機嫌が悪くなり, 38.5℃の発熱があった. 15日は頻回の嘔吐, 哺乳力低下や傾眠傾向が出現した. 16日になると, 発熱は40℃まで上昇し, 顔面を含む左半身の間代性痙攣がおこり,...
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Veröffentlicht in: | Neurosonology 1989, Vol.2 (2), p.86-89 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1.はじめに 脳エコー上, 両側視床の異常エコー像を呈する病態として, 新生児仮死の高エコー像の1)-3)報告が散見されるが, それ以外の疾患に関しては報告がない. 今回われわれは, 生後3ヵ月の日本脳炎罹患児に, 脳エコー像で両側視床の高エコー像を認めたので報告する. 2.症例 症例は栃木県在住の3ヵ月男児で, 主訴は発熱, 痙攣であった. 家族歴, 既住歴に特記すべきことは無かった. 1988年9月14日より機嫌が悪くなり, 38.5℃の発熱があった. 15日は頻回の嘔吐, 哺乳力低下や傾眠傾向が出現した. 16日になると, 発熱は40℃まで上昇し, 顔面を含む左半身の間代性痙攣がおこり, 17日にも眼球上転, 後弓反張位, 右下肢の間代性痙攣があったために当科へ入院となった. 入院時は, 身長66cm, 体車7590g, 休温37.2℃であった. 神経学的所見は, 顔貌は無欲状で意識は混濁し, 痛み刺激でわずかに啼泣するのみであった. 四肢は硬直し, 自発運動は認められず, 大泉門膨隆, 水平眼振や項部強直を認め, Kernig徴候陽性で深部腱反射は亢進していた. |
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ISSN: | 0917-074X |