乳児亜鉛欠乏症を引き起こす低亜鉛母乳と亜鉛トランスポーターZnT2 の変異
「1. はじめに」 必須微量金属元素である亜鉛は, 多数のタンパク質の立体構造の維持や, 300種類以上もの酵素の補因子として必須の役割を果たす[1]. また, 細胞内外の亜鉛イオンの濃度変化は様々なシグナル経路を制御する[2]. そのため, 亜鉛は生体内で多岐にわたる生理的役割を担っており[3], その不足は味覚障害をはじめとする様々な症状を引き起こす. 亜鉛の欠乏が成長障害を引き起こすことは半世紀前に明らかにされており[4], 日々著しく成長する乳児が, その健全な発育に多くの亜鉛を必要とすることは至極当然である. 乳児は通常, 母乳から必要量の亜鉛を得ているため, 母乳中の亜鉛量が減少し...
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Veröffentlicht in: | BIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS 2014, Vol.25(1), pp.1-7 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 必須微量金属元素である亜鉛は, 多数のタンパク質の立体構造の維持や, 300種類以上もの酵素の補因子として必須の役割を果たす[1]. また, 細胞内外の亜鉛イオンの濃度変化は様々なシグナル経路を制御する[2]. そのため, 亜鉛は生体内で多岐にわたる生理的役割を担っており[3], その不足は味覚障害をはじめとする様々な症状を引き起こす. 亜鉛の欠乏が成長障害を引き起こすことは半世紀前に明らかにされており[4], 日々著しく成長する乳児が, その健全な発育に多くの亜鉛を必要とすることは至極当然である. 乳児は通常, 母乳から必要量の亜鉛を得ているため, 母乳中の亜鉛量が減少した低亜鉛母乳を授乳されると, 直ちに亜鉛欠乏に陥る. このような症例は30年以上前から知られていたが[5], その原因は長らく不明であった. 近年になって筆者らを含め複数の研究グループが, 母乳中の亜鉛量の減少に, 母親のZnT2遺伝子の異常が関わることを報告している[6-10]. |
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ISSN: | 0916-717X 1880-1404 |
DOI: | 10.11299/brte.25.1 |