イメージングによる生体内微量元素の分析

「1. はじめに:」 生体において微量元素は, 生体組織の構成や生理機能の維持, 調整に不可欠である. それらは通常, 最適濃度で存在して生理作用を示し, 不足すると欠乏症, 過剰になると毒性等を引き起こす. また, 疾患などに直接的または間接的に関連することから, 生体内における微量元素の分布や動態の解明は, 疾患の解明や治療法の開発に有効であると考えられる. 従来, 微量元素の分析において, 生体試料をそのまま分析できる場合は非常に限られており, 目的成分以外の元素により受ける化学干渉, スペクトル干渉などの影響を避けるための適切な前処理操作を必要とする. 標的とする微量元素の濃縮や測定を...

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Veröffentlicht in:BIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS 2012/12/31, Vol.23(4), pp.221-229
Hauptverfasser: 萩森, 政頼, 佐治, 英郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに:」 生体において微量元素は, 生体組織の構成や生理機能の維持, 調整に不可欠である. それらは通常, 最適濃度で存在して生理作用を示し, 不足すると欠乏症, 過剰になると毒性等を引き起こす. また, 疾患などに直接的または間接的に関連することから, 生体内における微量元素の分布や動態の解明は, 疾患の解明や治療法の開発に有効であると考えられる. 従来, 微量元素の分析において, 生体試料をそのまま分析できる場合は非常に限られており, 目的成分以外の元素により受ける化学干渉, スペクトル干渉などの影響を避けるための適切な前処理操作を必要とする. 標的とする微量元素の濃縮や測定を妨害する高濃度マトリックスの分離の方法として, 湿式灰化, 溶媒抽出, 誘導体化, キレート樹脂による抽出, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの前処理操作が挙げられるが, それらを目的に応じて使い分ける必要がある[1]. これらの前処理段階は微量元素分析において非常に重要であるが, 操作が煩雑であり, かつ技術を要することから, 測定結果の信頼性に影響を及ぼす場合も考えられる.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.23.221