神経症状発症から数年後にKayser-Fleischer角膜輪発見を契機に診断された肝神経型Wilson病の一例

【症例】19歳10か月女性【現病歴】18歳4か月頃に友人から手の振戦を指摘されるようになったが, 放置していた. 19歳5か月の時コンタクトレンズ作成のため眼科受診時, Kayser-Fleischer角膜輪を認められ, 精査の結果Wilson病と診断された. D-ペニシラミン内服を開始し, 今回Wilson病の評価目的にて入院となった. 【入院時理学的所見】神経学的所見として, 軽度の上肢の振戦, 構音障害, 嚥下障害, 書字拙劣を認めた. 全身状態は良好で, 腹部所見では脾臓を左季肋下2cm触知した. 肝臓は触知しなかった. 【検査所見】(1)血液一般検査にてWBC2000/mm3, RB...

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Hauptverfasser: 植村泰子, 大石悟, 竹下由紀子, 山口之利, 清水教一, 青木継稔, 中島敏雄
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【症例】19歳10か月女性【現病歴】18歳4か月頃に友人から手の振戦を指摘されるようになったが, 放置していた. 19歳5か月の時コンタクトレンズ作成のため眼科受診時, Kayser-Fleischer角膜輪を認められ, 精査の結果Wilson病と診断された. D-ペニシラミン内服を開始し, 今回Wilson病の評価目的にて入院となった. 【入院時理学的所見】神経学的所見として, 軽度の上肢の振戦, 構音障害, 嚥下障害, 書字拙劣を認めた. 全身状態は良好で, 腹部所見では脾臓を左季肋下2cm触知した. 肝臓は触知しなかった. 【検査所見】(1)血液一般検査にてWBC2000/mm3, RBC448万/mm3, PLTL5万/mm3, 生化学検査にてAST 25 IU/L, ALT 18 IU/L, UA3. 1mg/dLであった. (2)血清セルロプラスミン2mg/dL以下, 血清銅12μ9/dL, 尿中銅448.8~1188.0μg/dayの範囲内であった. (3)腹部CTにて肝硬変の所見および著明な脾腫を認めた. GFにて明らかな食道静脈瘤は認めなかった. (4)頭部MRIでは両側基底核, 視床, 中脳, 橋被蓋がT2WIで高信号域を示し, 全体的に萎縮がみられた.
ISSN:0916-717X