ヒートショック転写因子1はがん温熱療法の有効な標的になりうるか

がん温熱療法 (ハイパーサーミア) は, 有効ながん治療法として位置付けられている. しかしながら, ヒートショックタンパク質群 (HSPs) の発現上昇等の腫瘍の応答により腫瘍が温熱抵抗性を獲得し, 治療効果を低下させる. HSPsの発現は, 主にヒートショック転写因子1 (HSF1) により制御されている. さまざまな腫瘍のがん細胞において, HSF1の発現が上昇していることが報告されている. さらに, HSF1は, がんの発症や維持に関与している. また, HSF1の機能阻害は, 腫瘍形成を阻害し, ハイパーサーミアの効果を向上させる. 本総説では, がんにおけるHSF1の生理学的または...

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Veröffentlicht in:Thermal Medicine 2012/12/20, Vol.28(4), pp.63-71
1. Verfasser: 田渕, 圭章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:がん温熱療法 (ハイパーサーミア) は, 有効ながん治療法として位置付けられている. しかしながら, ヒートショックタンパク質群 (HSPs) の発現上昇等の腫瘍の応答により腫瘍が温熱抵抗性を獲得し, 治療効果を低下させる. HSPsの発現は, 主にヒートショック転写因子1 (HSF1) により制御されている. さまざまな腫瘍のがん細胞において, HSF1の発現が上昇していることが報告されている. さらに, HSF1は, がんの発症や維持に関与している. また, HSF1の機能阻害は, 腫瘍形成を阻害し, ハイパーサーミアの効果を向上させる. 本総説では, がんにおけるHSF1の生理学的または病理学的役割について要約し, さらに, HSF1がハイパーサーミアの有効な標的になりうるか否かを考察する.
ISSN:1882-2576
1882-3750
DOI:10.3191/thermalmed.28.63