(5)少量抗癌剤と温熱療法併用が有効であった高齢進行卵巣癌患者の一例

【症例】73歳, 女性. 卵巣癌(stage II c). 【病歴】H17年5月不正出血によって近医受診, CA125は43U/mlでした. 卵巣癌の疑いで高次医療機関へ紹介され, 手術を勧められたが拒否し, 6月下旬に温熱療法希望にて当院を受診した. 7月中旬婦人科にて卵巣癌の確定診断をうけ, 7月下旬に当院入院, 入院時のCA125は274U/mlであった. 【治療方法】8月より少量抗癌剤と温熱療法を開始, 抗癌剤はTJ療法〔タキソール 50mg/m2(一般量 175mg/m2), パラプラチン AUC1(一般量 AUC5-6)〕, 3週連続投与1週休薬を1クールとし投与しました. 温熱療...

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Hauptverfasser: 片平亜矢子, バレンチナオスタペンコ, 宮野元成, 味村啓司, 平坂尚久, 南部建昌, 南清隆, 大島淳子, 西出孝啓, 湯川進, 西出巌
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】73歳, 女性. 卵巣癌(stage II c). 【病歴】H17年5月不正出血によって近医受診, CA125は43U/mlでした. 卵巣癌の疑いで高次医療機関へ紹介され, 手術を勧められたが拒否し, 6月下旬に温熱療法希望にて当院を受診した. 7月中旬婦人科にて卵巣癌の確定診断をうけ, 7月下旬に当院入院, 入院時のCA125は274U/mlであった. 【治療方法】8月より少量抗癌剤と温熱療法を開始, 抗癌剤はTJ療法〔タキソール 50mg/m2(一般量 175mg/m2), パラプラチン AUC1(一般量 AUC5-6)〕, 3週連続投与1週休薬を1クールとし投与しました. 温熱療法は週1回, 平均出力は500W, 40分/回で抗癌剤投与後に施行した. 副作用は軽度の骨髄抑制(Grade0-1)のみで, 10月(3クール目)より外来通院で行った. 3クール終了後, 本人希望により抗癌剤を中止し, 単独温熱療法を10月から11月まで週1回, 12月から現在までは月1回で施行した. 【結果】併用療法1クール後CA125は107U/mlに減少, 2クール終了時には, 21U/mlと正常化し, 3クール終了後には12U/mlとなった. 単独温熱療法開始4ヵ月後, 平成18年2月のCA125は10U/ml(75%効果, PR)を維持し, MRI画像上でも腫瘍は縮小した. 【結語】高齢進行卵巣癌患者に少量抗癌剤と温熱療法の併用が有効であった. プラチン系抗癌剤は, マイルド加温を含めて, 温熱増感効果が期待できると考えられた.
ISSN:0911-2529