(4)温熱化学療法が有効であった多発性肝転移腫瘍の一例
【症例】54歳, 男性. 直腸・S状結腸多発癌, 多発性肝転移(Stage IV). 組織型は, 中分化腺癌. 【現病歴】2005年7月, 近医受診し, 大腸ポリープ及び肝腫瘍と診断され, 同年8月, 高度医療施設を紹介される. S状結腸及び直腸の切除人工肛門の造設を受けた. 手術後のCEAは, 365ng/mlと高値を示した. 9月上旬より肝動脈(5-FU 500mg+MMC 4mg, 週1回)および内服化学療法(5-FU 50mg, 毎日)を開始した. 10月上旬より内服化学療法はUFT300mg+UZEL75mg(毎日)に変更した. 10月のCEAの値が365ng/mlから691ng/m...
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Zusammenfassung: | 【症例】54歳, 男性. 直腸・S状結腸多発癌, 多発性肝転移(Stage IV). 組織型は, 中分化腺癌. 【現病歴】2005年7月, 近医受診し, 大腸ポリープ及び肝腫瘍と診断され, 同年8月, 高度医療施設を紹介される. S状結腸及び直腸の切除人工肛門の造設を受けた. 手術後のCEAは, 365ng/mlと高値を示した. 9月上旬より肝動脈(5-FU 500mg+MMC 4mg, 週1回)および内服化学療法(5-FU 50mg, 毎日)を開始した. 10月上旬より内服化学療法はUFT300mg+UZEL75mg(毎日)に変更した. 10月のCEAの値が365ng/mlから691ng/mlと上昇を認めた. 【治療法】2005年10月19日当院を温熱治療目的で受診する. 治療は, 肝臓を加温目的臓器として, 週1回の肝動注直後, 平均出力は1500W, 1回の治療時間は60分間として行った. 温度測定は腋下と口腔内で行った. 【結果】併用療法開始1ヵ月後, CEA691ng/mlが274ng/mlと低下し, 3ヶ月後は43ng/mlと著明に低下した. CT画像も著明な縮小を認めた. 腋下温度は最大40.7度, 口腔内温度は最大385度であった. 【考察】培養細胞及び動物実験データで37度と比較した抗癌剤への温熱増感効果は以前から証明されています. 実験データを参考にすると, 当症例の肝動注で使用されたマイトマイシンC(MMC)による増感効果は, 40~42度(マイルドハイパーサーミア)加温では認めなかったに対し, 42.5度以上の加温の場合は3倍と, 高い増感率を示していました. 今症例では出力と全身温度の様子から腫瘍組織内の温度が十分に上昇し, 増感効果によって臨床的有効であったと考えられます. |
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ISSN: | 0911-2529 |