(1)温熱化学放射線療法が奏功した悪性胸膜中皮腫の一例
症例は69歳男性で右背部痛にて発症した. CTにて右胸郭内腫瘤をみとめ, 生検にて悪性胸膜中皮腫(sarcomatous type), T4N0M0, StageIVと診断した. 放射線療法50Gy, 同時に少量化学療法(CDDP30mg/平方メートル, CPT-11 20mg/平方メートル)を併用した温熱療法を週1回3コース施行した. さらに胸腔鏡挿入部胸壁腫瘍に電子線19.5Gy施行した. 治療により疼痛は軽減し, CT上腫瘍は部分的に縮小したが治療の一次効果はNChであった. 退院から3ヶ月後に記銘力低下が出現し, 頭部CTにて多発性脳転移がみられた. この際に施行したFDG-PETでは...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 症例は69歳男性で右背部痛にて発症した. CTにて右胸郭内腫瘤をみとめ, 生検にて悪性胸膜中皮腫(sarcomatous type), T4N0M0, StageIVと診断した. 放射線療法50Gy, 同時に少量化学療法(CDDP30mg/平方メートル, CPT-11 20mg/平方メートル)を併用した温熱療法を週1回3コース施行した. さらに胸腔鏡挿入部胸壁腫瘍に電子線19.5Gy施行した. 治療により疼痛は軽減し, CT上腫瘍は部分的に縮小したが治療の一次効果はNChであった. 退院から3ヶ月後に記銘力低下が出現し, 頭部CTにて多発性脳転移がみられた. この際に施行したFDG-PETでは, 脳に多発性の異常集積がみられたが, 胸部への異常集積は消失しており, 局所は制御されているものと考えられた. 本症例は, 温熱化学放射線療法により反応は遅かったものの良好な局所効果が得られた一例であり文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0911-2529 |