4 マイルドハイパーサーミアによる薬剤の取込増強と抗腫瘍効果の増強
(目的):温熱治療は一般的に42.5℃以上で行われているが, 42.5℃以下でも免疫能が活性化したり, 化学療法を増感する事が動物実験によって確認出来たので, その結果を報告する. (材料及び方法):SCC-VII腫瘍を大腿部皮下に担癌したC3Hマウス(♂, 6W)に42℃, 20分の温熱治療を温水槽によって加え, 免疫担当血液細胞, 腫瘍成長速度を調べた. また, 同様に担癌マウスにシスプラチン(7mg, kg:IP)を投与し, 種々の時間で各組織へのシスプラチンの取り込みをキレート剤(DDTC)とNiを標準として用い, 高速液体クロマトグラフィー装置によって測定した. 更にアポトーシスの誘...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本ハイパーサーミア学会誌 2004, Vol.20 (3), p.203-203 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | (目的):温熱治療は一般的に42.5℃以上で行われているが, 42.5℃以下でも免疫能が活性化したり, 化学療法を増感する事が動物実験によって確認出来たので, その結果を報告する. (材料及び方法):SCC-VII腫瘍を大腿部皮下に担癌したC3Hマウス(♂, 6W)に42℃, 20分の温熱治療を温水槽によって加え, 免疫担当血液細胞, 腫瘍成長速度を調べた. また, 同様に担癌マウスにシスプラチン(7mg, kg:IP)を投与し, 種々の時間で各組織へのシスプラチンの取り込みをキレート剤(DDTC)とNiを標準として用い, 高速液体クロマトグラフィー装置によって測定した. 更にアポトーシスの誘導を電気泳動法によって確認した. 血流はレーザードプラー血流計で経時的に測定した. (結果)42℃の温熱処理によって白血球, リンパ球, NK細胞の活性が認められた. 複数回加温では2日おきより, 連日加温群に抗腫瘍効果が観測された. また, 薬剤の取り込みでは腫瘍部は薬剤単独処理は4, 12時間に取り込みピークを示し, 温熱と薬剤併用では12, 48時間に取り込みピークを示し, いずれの時期での薬剤量も併用群で2倍から4倍の高値を示した. 肝臓では長期に渡り併用群に低値が観測された. 加温併用群に2時間後よりアポトーシスの指標であるラダーが観測された. 42℃の加温で腫瘍血流は3倍に増加した. (考察)ビトロ実験では抗腫瘍効果が見られない温度でもビボー実験では免疫能活性による抗腫瘍効果が観測され, その作用は温熱耐性よりも強い事が示唆された. 薬剤も血流増加に伴って腫瘍内への取り込みが増加し, 抗腫瘍効果が増感し, 肝臓では排出が薬剤単独群より早いので, 肝臓への副作用軽減にもなると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0911-2529 |